前回の技能五輪の話の続きだが、言われて見れば技能五輪は別にして、面白い盛り上がっているイベントというのは総じてその競技の面白さもさることながら、「盛り上げる」努力をしているから人気があるのだ。

筆者はボクシングを20年見ているが、ボクシング界の営業努力というのはせいぜい「後楽園ホールで強い選手同士のマッチメイクを成功させる」というレベルで止まっている。

そのやり方だとコアなマニアは見にくるかもしれないが、首都圏に住む99%の人は「そんなことははっきり言ってどうでもいい」で終わりである。

以前テレビで映画配給の李鳳宇(リ・ボンウ)氏が「映画は映画館に客が入るのではなく、客を『入れる』モノだ」と言っていたが、プロスポーツの集客も全く同じだ。

良い映画があっても勝手にお客さんが映画館に入らないのと同様に、良いマッチメイクをしただけでは一般の方はボクシングに興味を持たないし持つ訳がない。それは他のコンテンツも同様だ。

今年(2015年)は今の時点でも色々なスポーツを見て来たがスポーツのコンテンツとしては面白いのに、運営サイドが全く集客や盛り上げる意識がなく宝の持ち腐れのような会場もあった。

こうしたスポーツというのは「婚活しない(でも結婚願望のある)美女」のようなモノであって、待っているだけでは何も変わらない現代社会では人気が出る訳はないのは必然だ。

そうは言っても筆者も具体的な集客方法や盛り上げ方を知っている訳ではないので筆者自身も無能な人間なのだが、勝手に盛り上がるのを待つのではなく会場を意図的にアゲアゲに「盛り上げる」工夫と一般の方にその競技に興味を持って貰う集客の努力が必要である。