〈①の続き〉こうした日本バスケ界の末期的な状況に対して川淵三郎は何をするかという話である。
基本的にこの男は何も変わっていない。Jリーグ立ち上げの頃と同じだ。
日本にJリーグを作ろうとした時も企業依存の実業団リーグからの脱皮を図ろうとしてチーム名に企業の名前を入れない規約を作り、読売新聞のナベツネ(渡邉恒雄)と大喧嘩したことがあったが今も川淵の基本線はブレてない。
統一したプロバスケリーグのスタジアム基準として5000人の収容人数の体育館の義務化を立てたが、それがbjリーグの強豪秋田ノーザンハピネッツのある秋田県知事と喧嘩して、知事は「川淵とは会わない」という状況になっている。
しかし筆者は川淵は大嫌いだが、こうしたワンマン社長みたいな人間でないと一部の好事家しか見ていなかった実業団リーグが世界で類を見ないプロスポーツリーグを1代で叩き上げられなかったであろう。
近年日本では何の世界でも他者の欠点をネットで匿名で挙げ連ねてドヤ顔する輩ではびこっているが、川淵のタカ派の政治家のような人間性はともかく今の日本には(スポーツに限らず)アツい人間が減ったのも事実だ。
人間何かを成し遂げる時には大喧嘩を叩き売る気合も必要だ。