前回は前置きが長くなって具体的な説明ができなかったが、どうやってJリーガーのFWが伸びたのかを見てみたい。

JリーガーFWの最強助っ人の1人にブラジル人のマルキーニョスがいる。おそらく最もJのピッチに適応し日本サッカーを知る外国人FWかもしれない。

しかしマルキーニョスは代表歴もない普通のFWだった。なぜそんな彼がここまでJで成功したのか?それはキャリア初期の経験が大きく影響している。

マルキーニョスが最初に入ったJクラブは東京Vであった。この頃の東京Vは現在の凋落の一歩前の時期でまだブラジル人のビッグネームをギリギリ呼べる予算があった。

この時期東京Vが停滞した状況を打破する為に呼んだブラジル人が問題児エジムンドだった。

エジムンドはセレソンにも招集されるほどの一級品のFWだったが、私生活では母国で交通事故で人を死なせたこともある問題児だった。

エジムンドに限らずこうした素行に問題のある外国人選手というのは、金だけ持っていってチームに馴染めずバックれて終わりというパターンが多くエジムンドもそうだったが、この時エジムンドはマルキーニョスに大きな置き土産を置いていった。

Jのピッチでエジムンドとコンビを組んだマルキーニョスは、彼からFWのイロハを教わり急激にFWとしての潜在能力を開花させた。

①で中国人FWが力を付けている話をしたが、かつてはJのピッチでもFWの急成長という化学反応があったのである。

その後マルキーニョスは数々のJクラブを渡り歩き、Jの歴史を紐解く時に欠かせないFWにまで成長した(余談だがマルキーニョスは2004年にはジェフに在籍し、オシム監督の下でレアル・マドリードとの壮行試合でゴールを記録している)。

日本の言葉に「一期一会」「袖振り合うのも多少の縁」というが、JリーガーのFWもフォルラン以外にももっと大物選手を招聘してもらいたい。それがJリーガーの成長に繋がるのだ。