前回はサッカー審判の査定について書いてみたが、今回は野球の審判について考えてみたい。
野球の場合今回はアメリカ球界の話をするが、アメリカの野球というのは周知の通りメジャーリーグというのがヒエラルキーの頂点に立っていて、そこから下はAAA、AA、Aと日本とは比較にならない程の格差社会の中でプレーをして明日のメジャーを目指して選手達はプレーしている。
前にも紹介したがメジャーとマイナーでは移動や待遇も雲泥の差で、よく「メジャーは牛肉をたべるが、マイナーは鶏肉だけしか食えない」というが少なくともマイナーリーグは憧れの地ではないのは確かだ。
それは審判も同様で審判もマイナー審判は2人1組で行動し、PBUC(Professonal Baseball Umpire Corporation/プロ野球審判会社)がマイナー審判を管理し、この会社が全米にあるマイナーリーグの試合に審判を派遣する(余談だが移動は2人1組の審判が車移動で1000キロのドライブも!)。
そしてそうしたマイナー審判の査定もPBUCが行い、この会社のスーパーバイザーが年3回抜き打ちテストで全審判を査定し、チェックして回っている。
査定内容には「塁審」「球審」「トラブルの処置」「次のプレーへの反応」など多数の項目がある。
こうした査定の下でマイナー審判はリーグの昇降格が決まる。降格というよりマイナー審判は薄給(AAで月給2200~2400ドル・シーズン中のみ)なのである一定の年齢でも昇格できないと、将来の為にも審判を断念せざるを得ないのが現状だ。
こうしてサッカーと野球の審判の査定を見てきたが、スポーツがビジネスとなり興行となって審判のジャッジに余裕が減ってきてるが、審判もまた「査定」に怯えているのだ。
参考文献 パ・リーグ審判、メジャーに挑戦す 平林岳 光文社新書 2007年