体力の消耗というのはプロスポーツの世界にとって尋常ではない問題だ。スポーツビジネスの世界にとっては一方で選手という「商品」をお客様にお金を払うに値する為に体力の消耗は克服しないといけない問題である。
野球でもサッカーでも他のスポーツでも、よく「あの選手は才能(センス)の塊」と呼ばれる選手はどこにでも存在する。
野球ならMAX140キロの豪速球を投げられる投手や、サッカーなら屈強な肉体派センターバック2人に囲まれてもボールをキープできてタメを作り、味方のアガリの為の時間を作れるセンスあるFWというのは監督からすれば喉から手が出る程欲しい存在だ。
…しかし…
野球にしろサッカーにしろスポーツというのはセンスだけでやれるモノではない。先天的なセンスだけで頂点に立てる競技など存在しない。
野球なら豪速球を投げられても3回までしか持たない投手など怖くもないし、サッカーならセンスの塊であっても11人が開始30分でスタミナ切れで足が止まるチームに価値はない。
そうしたセンスを活かす為にも極限の走り込みで身体を鍛えるのである。
また(根性論ではないが)走ることで他の副次的効果もある。よくボクシングの試合でチャンスに手が出ないボクサーがいて「なぜ手を出さない‼︎」と思う人もいるだろう。
あれは出さないのではなく「出せない」のだ。ボクサーはリングの上にただ突っ立っているだけでも相当の体力を消耗する。攻撃をするなら尚更だ。
そんな極限の緊張状態でも身体を動けるようにする為にスポーツ選手は皆走るのである。
球技でも格闘技でも極限の緊張のなかでは体力の消耗は著しい。それを克服するには地味でキツくて楽しくない基礎トレしかないのである。