スポーツの現金化 (その315・サラリーキャップ③)

<②からの続き>脱線した話をMLBに戻そう。こうしたFA制度がアメリカのスポーツビジネスに浸透したことにより、年俸の高騰が助長し結果として球団経営の圧迫に繋がることは先に述べた。

しかしMLBの場合FA制度が生まれたことによりニューヨークヤンキースのジョージ・スタインブレナーというオーナーが金にモノを言わせて選手をかき集めてMLBもマネーゲームの世界に突入し、他球団もその闘いに巻き込まれるようになり結果としてMLBは自由競争の世界になっていった(MLBがどうやって金銭面で戦力均衡をするのかは後述)。

MLBのマネーゲームの動きは他のスポーツにも波及していった。MLB同様にNBAも一時期マネーゲームになっていった。NBAの場合は選手のドラッグ汚染の問題もあり、リーグ全体をクリーンにする必要があった。

こうした球団経営どころかリーグ全体の経営も崖っぷちにきていたNBAが選手と球団双方が運命共同体としてwin-winの関係にする為にできたのが、「チーム支出の平準化(＝サラリーキャップ)」である。

当時のNBAはリーグで生まれた利潤の一定額を選手の年俸として保証する代わりに、一方で選手の年俸総額を一定のパーセンテージに抑えることにより、選手の年俸高騰に歯止めをかけようとした。それがサラリーキャップが生まれたいきさつである<具体的な算出方法は④で>