スポーツ映像の現金化を調べていてロス五輪同様にアメリカで成功しているメジャーリーグの放映権についても言及したい。

メジャーリーグの世界では超一流の選手が、なぜあれだけ使いきれないくらいの年俸をもらえるのか不思議に思う人もいるだろう。

このからくりがメジャーの放映権料のシステムにある。

メジャーリーグの放映権料には大雑把に分けて①全米向けの視聴者に向けてのテレビ放映、②地元の視聴者に向けてのテレビ放映、の2つに分かれている。

①の全米向けのテレビ放映に関してはこれは放映権というのが、一括して非営利団体であるメジャーリーグ機構に放映権料が管理され、ここで集まった全米向けの放映権料は税金を天引きした金額を全30球団に均等に配分される仕組みになっている(まるで共産主義だ)。

一方で②の地元向けのケーブルテレビでの放映権料というのは各球団が自由に値段が決められる。例えばヤンキースなら自分の球団のテレビ局であるYESネットワークが独占契約しているので、ニューヨーク州でヤンキースの試合をみたい視聴者は、YESネットワークが提示した視聴料を払うほかないのだ。

その上メジャーリーグは1922年の反トラスト法の適用により独占禁止法の除外が認められていて、メジャーリーグのマネタイズ(現金化)に関しては放映権料に限らず、リーグが自由に値段設定ができるのである。

このようにメジャーの放映権料システムを見てきたが、大金を稼ぎ出すからくりには巧妙な仕掛けがあったのだ。

参考文献 メジャーリーグなぜ「儲かる」 岡田功 集英社新書 2010年