今スポーツ動画配信の現金化(マネタイズ)について色々と書き連ねているが、今回は五輪について考えてみたい。

前にも言ったことの繰り返しだが、五輪が興行的に赤字から黒字に転換したのは1984年のロス五輪でピーター・ユベロスが五輪に関わる権利(放映権に限らず、スタジアムの物販やスポーツ用品の使用の権利含めた)を一括独占契約にして、それぞれの権利の契約金を吊り上げた頃からだ。

こうして吊り上がった契約金の中でもテレビの放映権料は特に青天井になった。ロス五輪では2億2500万ドルだった放映権料が2012年のロンドン五輪では11億8000万ドルまで高騰した。

しかし現在のスポーツ動画配信はテレビからスマホによるネット動画にシフトしつつあるので、放映権料の高騰も頭打ちの状況である。

また最近の五輪の放映権料の計算は1大会ごとではなく夏季・冬季五輪の大会をそれぞれ2大会ずつ計4大会ごとに計算して、放映権料の交渉をIOCとテレビ局がするのだが、これが昨今のテレビコンテンツの衰退や動画配信システムの変化によって値上げできないのである。

こうして五輪の動画配信という現金化は転換点にあるが、これに関してはもう少し詳しく考えたい。<⑤に続く>