②ではスポーツビジネスにおいて各競技がどう取り組んでいるかを見てみるが、まず野球に関して考えてみるが野球の場合今の若い人にはわからないかもしれないが、筆者(独眼鉄)のようなアラフォー世代が子供の頃は巨人戦がテレビのゴールデンの枠で放映していて、今みたいにスマホはおろか携帯電話もなくニンテンドーDSのような携帯ゲーム機もなかったから、必然的に巨人戦しか見るモノがなく皆巨人ファンで、当時のサッカーの日本代表の選手は誰も知らないが、巨人の選手は皆ソラで言えた。

…しかし…

90年代以降サッカーや他のスポーツというコンテンツの普及や①で挙げた動画配信手段の進化もあって、野球中継の視聴率はがた落ちになった。その上2004年の近鉄・オリックスの球団合併問題で野球というコンテンツは瀕死の状態にまで堕ちていった。

そうした中で危機感を抱いたパ・リーグが手を打った。PLM(パシフィック・リーグ・マーケティング)というパ・リーグの6球団がパ・リーグの権利処理を扱う会社を2006年に設立した(本当はセ・リーグも含めた12球団で設立したかったが東京の某球団が嫌がりパ・リーグのみとなった)。

このPLMという会社は放映権のみならずマーチャンダイジング(球団のグッズなどの商品の商標権といった権利問題)やパ・リーグに来るスポンサーなどのスポンサーシップの問題をそれまでは各球団がバラバラだったのが、これからはリーグ全体で管轄して権利問題を一括化することにより、業務の迅速化や業界内の発言力の向上を目的として、その中でもスポーツビジネスとして重要な現金化できる商品として「(パ・リーグの試合の)放映権」をリーグが一括して販売し(主としてBS局に売る)、その現金化した収益を各球団に配分するのである。

今回のテーマは放映権なのでここまでにするが、PLMは他の球団の権利も現金化できる商品として扱っているので、後日それも紹介したい。<③に続く>

参考文献 パ・リーグがプロ野球を変える 6球団に学ぶ経営戦略 大坪正則 2011年 朝日新書