今回のテーマは個人的な話でもある。ご了承願いたい。

筆者(独眼鉄)のブログのプロフィール欄を見た人なら分かると思うが、筆者は大学時代にアルバイトで貯めた50万円で、はじめの一歩の宮田一郎の真似をしてタイやフィリピンのボクシングジムに飛び込みで入門した(←ただの馬鹿)。

その時タイのジムで知り合った選手にポーンというボクサーがいた。

ポーンは年齢も20代前半で(当時の筆者と同じくらい)、タイでは多いムエタイ出身だが蹴りよりもパンチの手数を出す技術が優れていて、その能力を買われてボクシング転向した選手だった。

そのポーンや他のタイ人ボクサーと練習して、自分のボクサーとしての無能&非力さを痛感したのは、自分の後の人生において有益だった。

ポーンは体格こそ筆者より小柄だったがパンチを出す技術や引いた相手への詰め方・ハンドスピード・相手からの攻撃に対する耐久力・防御能力・動体視力や反射神経などボクサーとしての資質の全てにおいて差は歴然であった。バイクで言えばスーパーカブ(筆者)とナナハン(ポーン)でレースをしろと言っているようなモノで100回やって100回負けるのは自明の理であった。同年代でここまで能力に違いがあるのを知ったのは衝撃であった。

そうしたボクシング界の広さを痛感して筆者は日本に帰国した。しかしこのタイでポーンと出会った時の衝撃は実は単なるプロローグに過ぎなかった。<②に続く>