<①からの続き>なぜこうやって騎手のなりてが減っていくのか?藤田騎手が言うには日本人騎手がある有望な馬を勝てる馬にする為に丹精込めて育てても、その馬が成長してさあ大きなレースでその馬と晴れの舞台だとなっても、そういう時になってその馬を外国人騎手が騎乗することになり、要は海外で十分稼いでいる外国人騎手に日本の馬が「おいしいところだけ取っていく」状態になっているのだと言う。

藤田騎手はこんな外国人騎手という洋ものに対する権威にへつらった仕組みが、騎手志望者の激減に繋がっているのだと言うが(他にも競馬界は問題だらけというが)、この記事を読んで競馬素人の筆者はあることを思い出した。

それは2004年のプロ野球近鉄オリックス合併問題である。周知の通りあの事件は近鉄という球団が、球団を維持することができないということでプロ野球界が球団削減するという方針を取った事件であったが(最終的に楽天という新球団誕生で球団数削減は免れたが)、あの事件でも日本のプロ野球ファンはナベツネのような「たかがファンが」というような特権的エリートによる一般人(ファンやプロ野球選手)の軽視や侮蔑の態度をあからさまにして、密室で権威が物事を決めて何が悪いという態度だった。

競馬の世界も競馬界の上層部が、騎手という競馬の世界に不可欠な存在を「お前の替わりはいくらでもいる」といって、外国人騎手に媚びを売っているように見えた。

競馬や野球に限らず日本特有の特権的階級の人間は、一般人を低く見ていいという歪んだ構造だ。

馬券の買い方も解らない筆者が見ていても、騎手の激減(全盛期から8割減!)というのは問題だ。

「競馬の素人が知った口を言うな!!」と言われそうだが、敢えて今回はこのことを書いた。

参考文献 騎手の一分 競馬界の真実 藤田伸二 講談社現代新書 2013年

競馬番長のぶっちゃけ話 藤田伸二 宝島SUGOI文庫 2011年