<①からの続き>全く無名の地方出身の凡庸な戦績のボクサーが、東京の名門ジムの日本ランカーとの対戦というのは、良い意味で予想を裏切った。

普通地方出身のボクサーが後楽園ホールに初めて試合する時、会場の雰囲気に飲まれて実力の半分も出せずに負けるパターンもあるが、この日の岡崎は違った。

よくサッカーを見ていてジェフのようなJ2強豪クラブに対して、中位や下位で勝ててないチームの選手が「気持ちが入った状態で」格上に挑むという言葉があるが、この日の岡崎のファイトはまさにそんな感じの気持ちの入った(古臭い言い方だが)「ガッツのある」試合を見せた。

典型的な東洋人ファイターの戦いぶりで、どれだけ打たれても最後まで試合を捨てずに諦めない勇敢なファイトで筆者はこの試合で、全く知らない存在だった岡崎祐也というボクサーの名前をこの試合を期に覚えた。

その後岡崎は地方の試合でそこの地元選手の噛ませ犬で呼ばれた試合で、噛みつき返すことに成功し日本ランカーを食って自分の成り上がりに成功した。

そしてそのファイトから東京のジムに所属する東洋王者からタイトルマッチのオファーが来て、来月(2015年4月)に晴れてタイトル初挑戦ができることが決まった。

先の試合で岡崎は根性のある試合をしたので筆者はこの試合のチケットを買ったが、噛ませ犬も気合いを見せることによって成り上がることも可能なのである。