スポーツの現金化 (その282・ベテランの価値②)

<①からの続き>こうしてベテランに対しての考え方を見てきた訳であるが、今の時代スポーツの世界でもベテラン軽視の傾向にあるが、それでは本当にベテランというのは価値がないのか？という話である。

今の時代サッカー界でも1人のベテランを雇うなら安い高卒や大卒の選手を2～3人雇った方が効率的だと考える節があるが本当にそうなのか？

筆者(独眼鉄)が今ここで書いているスポーツビジネスというのは、言ってしまえば顧客に出す商品というのは物ではなく「人間」である。

物を作ったり均一的なサービスを提供する業種の場合1＋1=2のような計算がしやすいのだが、商品が人間の場合こうした公式が成り立たないことの方が多い。

今の時代計算が立たないことを嫌う傾向にあるが、ベテランという商品が1＋1=5にも10にもなる潜在能力を秘めた存在というのをサッカー界は見失っている。

ベテランに限らず人と人の出会いというのは(スポーツに限らず)その人の価値を高める可能性も低める可能性も両方秘めている。

しかしベテランという圧倒的な経験値というモノを目先の利益に目が眩んで(くらんで)、30才になったらあっさりばっさり切り捨てるのは結局自分たちの首を締めることになる。

日本のサッカー界も短期的な利益のみを考えた雇用ではなく、ベテランの存在を認めたチーム編成を求めたい。