<①からの続き>それでは鹿島以外のサッカーチームを見てみたい。

鹿島の次に出てくるのが水戸ホーリーホックである。本来プロスポーツチームというのは、その県の県庁所在地のような人口が集中する街に規模の大きいチームができるのだが、茨城県は例外である。

前にも書いたが水戸というクラブは強化費がたった8000万円で(余談だがJ1で一番人気のある浦和は入場料収入だけで19億1800万円)、この資金を元手に約40人ほどのチームの人件費をカバーしている。

しかしそんな水戸も大卒Jリーガーに出場機会を与えて、選手をJ1の強豪クラブに選手を売って慢性的な資金難を克服している。

大学に目を向けると大学サッカーの名門筑波大学がある。Jリーグ夜明け前の頃から日本代表の選手をコンスタントに供給している大学で(ゴン中山の母校でもある)茨城県のサッカーを語る時、外せないチームだ。

他にも強豪チームはある。「Jリーガー養成道場」こと竜ヶ崎の流通経済大学である。

今でこそ大学サッカーの名門として名を馳せている同校だが強化を始めた頃は煙草は吸うし、練習では愚痴るし、練習グラウンドまで改造車で乗り付けてくるどうしようない頃もあった。

しかし名将中野雄二氏がチーム強化の為に地道な努力を繰り返し、今の大学サッカーの名門でJリーガーを毎年輩出する大学までに成長した。

こうして見ると(偶発的要素もあるが)、茨城県というのは静岡県や浦和のような古くからあるサッカーどころに匹敵するサッカー王国になった。茨城のサッカー界に注目だ!

参考文献 週刊サッカーダイジェスト 2013年5月28日号 2013年版 日本サッカーマネー事情

なぜ流通経済大学サッカー部はプロ選手を輩出し続けるのか? 秋元大輔 東邦出版 2012年