スポーツの現金化 (その264・フットサル効果②)

<①からの続き>こうしてここまでフットサルという競技の価値について見てきたが、他にも色々考えたい。

以前読んだ本で関係者のつてで北海道でサッカーを教えることになったブラジル人指導者が言ったことだが、北海道という場所は日本一の豪雪地帯だ。当然冬はグラウンドでサッカーの練習は出来ない。

その為そのブラジル人が北海道でやろうとした練習が、体育館でする(当時まだメジャーではなかった)フットサルである。

言葉は悪いが最初は仕方なくやった部分もあったが、今述べたようにフットサルには足下の基礎技術を楽しく練習できたり、ショートパスを繋ぐ対策(試合をするスタジアムが狭い時に効果的)になったので、結果的に選手の技量向上に繋がった。

他にも現在のJ2でもフットサル出身のJリーガーもいる。栃木から金沢に移籍した車永煥(チャ・ヨンファン)だ。車永煥は韓国有数のフットサル大会で準優勝し韓国フットサル代表候補にも選ばれて、そこからJ2入りした選手である。この事実を見てもフットサルで技術を高めることがサッカー選手としての能力向上に繋がることが分かる。

こうしてフットサルという競技が巡り巡ってサッカー界にも貢献することが分かったが、サッカーの練習をしたり上に上がりたかったらただ漫然と練習するのではなく、フットサルでも何でも他の競技から吸収できるモノを考える貪欲さも時には必要だ。