<①からの続き>こうして①では6年前の北信越リーグの無駄にアツいところを述べてきたが、そこから年月が過ぎてその地獄から巣だっていったチームはどうなったかという話である。

やはり一番の出世頭は松本山雅である。クラブの歴史は今年で丁度50周年だが、もともとは名前の由来である山雅という喫茶店(現在はない)の草サッカーチームで松本市の市民大会に出場する程度のクラブだったのが、2004年に本格的なプロ化をして11年で日本最高峰のリーグへ殴り込みをかけられるまでになった。

地域リーグ時代には喫煙するような選手もいたが、知将反町康治監督の徹底したプロ意識の注入という意識改革でJ2を僅か3年で卒業する偉業をなしえた(しかも自動昇格)

2番手はツエーゲン金沢である。もともと東京で不動産コンサルタント会社に勤めていた中村篤次郎(なかむら・あつお)氏が、赴任先の金沢でサッカーを使った街興しの必要性を感じてスタートしたクラブである。

サッカークラブのフロント入りした中村氏は収入も激減したというが、「よそ者・若者・馬鹿者」が街を変える、と言い地獄の北信越も卒業し、今シーズンからこちらはJ2に参戦である。未知のリーグでどう戦うか注目である。

足踏みが続いているのが長野パルセイロだ。長野は昨シーズンJ3の上位で
J2入れ替え戦まで行ったが、讃岐に敗れ金沢と同時にJ2に参入することは出来なかった。今年は元徳島監督の美濃部氏のもとで悲願のJ2入りを目指す。

こうして「地獄の北信越」から巣だった3チームを見てきた訳であるが、あの地域リーグでしのぎを削った戦友やライバルというのを各チームのサポはクラブの歴史を振り返っているのかもしれない。