<①からの続き>①では現代サッカーにおける選手の役割の変化について述べてきた訳であるが、②ではGKに具体的にどういう能力が求められるかについて考えてみたい。

今のサッカーではキャッチングやフリーキック時のコーチングといったGKの基本性能を当然こなした上で他にも色々な役割も対処しなければならない。

それでは現代サッカーにおけるGKに求められる能力というのは何かというとズバリ「足下の技術」である。

現代サッカーではDFラインというのは押し上げを強めてコンパクトにする傾向にある。その為ペナルティエリアと自チームのDFラインの間に広大なスペースが生じる。そのスペースをGKは1人で(当然手は使えない)守る必要がある訳だから、現代サッカーにおいてGKに足下の技術というのはいわば必須科目になっている。

こうした現代サッカーの変化においてGKというのは「11人目のFP」という役割を担っている。それゆえ現代のGKというのは足下の技術というのは、相手FWからプレッシャーのかかった状態からでも対抗出来るだけの技量が求められている。

他にもGKが求められるモノはある。それは「攻撃に対する意識」である。しかしそれはチラベルト(パラグアイ)のようにフリーキックを蹴る能力という意味ではない。

先日読んだサッカーノンフィクション「チョーコーイレブン」で主人公の大阪朝鮮高級学校のGKパク・カンミョンがパントキック(ボールを手から離して、地面に落ちる前にそのボールを蹴るキック)で自チームのFWにピンポイントでボールを供給するシーンがあったが、現代サッカーにおいてこうしたGKのボールの供給能力というのは大きな武器となっている。それは高校サッカーのみならずJでも要求される能力である。

こうして現代サッカーにおけるGKの要求の変化を述べてきたが、GKに限らず全てのポジションにおいて昔に比べて要求される能力が増えている。現代のメジャーなスポーツはそれだけ(サッカーに限らず)高度に緻密な変化が急激に進んでいるのである。