<①からの続き>さて日本国内で続くアジアへのヘイトスピーチであるが、長くなったが本当に他のアジアを拝した「純血主義」ができるのか?という話である。

結論から言えば「NO」である。どれだけ日本人が他の東アジアを嫌がってもアジアとの共生は、今の日本社会にとって必要不可欠なモノである。

それはスポーツの世界でもよくわかる。筆者が応援するジェフというクラブもプロ化する(古河時代に)前の日本リーグ時代に純血主義と言って、選手を全員日本人で戦っていた時代がある。

しかし読売クラブを筆頭としたブラジル人補強が後々主流になり、古河も外国人補強をするようになった。

また野球の世界でも広島カープが「純国産打線」と称して(打線だけではあるが)9人全員を日本人打者にしたこともあったが、カープはここ20年ずっとBクラスであるし、カープで育った金本知憲や新井貴浩がFAで他球団に移籍して、結局3Aクラスの外国人に頼らざるを得ない状況である。

海外に目を向けるとスペインのリーガでバスク地方のアスレチック・ビルバオという名門クラブがあるが、ビルバオはバスク地方の純血主義を頑なに守り地元選手しかチームに入れないという(それで2部落ちの経験がない)、ボスマン判決以降の欧州サッカーがEU内の人材の急激な流動化に逆行するチーム編成を続けてきたが、そのビルバオですら2009年にチーム初のアフリカ出身の黒人選手が加入したのである。

スポーツの世界が何でも正しいとは思わないが、ビルバオのような世界一純血主義を墨守してきたクラブでされ「チーム編成のハイブリッド化(交雑種)」を進めているのである。

これからの時代日本も国際結婚も進み(既に15組に1組は国際結婚である)、中国や韓国・他のアジアとの交雑や共生が加速化する。そんな時代に日本の純血主義が通用しないのはスポーツの歴史が証明しているのである。

参考文献 フットボールサミット 第7回 サッカーと帰化とアイデンティティ カンゼン 2012年