<③からの続き>今回水戸ホーリーホックというクラブの話が出てきたので水戸に絡んだ話を続けるが、水戸は前述の通りお金がないクラブなので(胸スポンサーのケーズデンキが撤退したらクラブが立ち行かなくなる)、まず水戸にはホペイロ(用具係)がいない。その為J1のクラブや同じJ2でもジェフのようなサポートがしっかりしているクラブとは違い(ジェフには洗濯専用のホペイロがいる)、練習で使った汚れた衣類を自分で洗っているのである。

また水戸は強化費がないので本来ならプロスポーツチームならシーズン前にやらなくてはいけないキャンプも水戸はできないのである。

また今年ジェフの加入が決まった元日本代表FWの鈴木隆行も水戸にいたが、彼も水戸に在籍中にはクラブからお給料を貰っていなかった。要は鈴木隆行は出場機会を水戸から貰って、水戸で活躍して他のクラブでお給料を貰って雇ってもらうことを考えていたのである(それまでは貯金を切り崩しての生活であった。そしてその次の就職先がジェフだったのである)。

こういう水戸みたいなクラブは自分のクラブのユースで選手を育てるより、大学サッカーで活躍した選手に出場機会を与えてJ1のクラブに売って、その移籍金でクラブを維持しているのである(最近だと柏に移籍した輪湖直樹)。

このように水戸のようなクラブはスタッフの人件費を削り、本来ならプロスポーツとして必要なキャンプもせず、無給の選手を作ってまでチームを強化しているのである。

そしてそんな血の滲む思いをして搾り出した480万円でチームのレギュラーは勝利を目指すのである。