のっけから金の話を全面に出す品のないタイトルだが「スポーツの現金化」と謳っているので仕方ない。今回はプロのサッカー選手の年俸についてである。

タイトルに「年俸480万円…」と書いてあるが、これはJリーグが規定している選手の年俸の上限のことである。

この年俸480万円というのは毎年Jに入団する新人サッカー選手というのは「C契約」と言い、前所属のチームから新たにJリーグのチームとプロ契約する選手は(どんなその年の目玉の新人でも)上限は480万円なのである。

それでは何故そんな上限を作るかと言えば選手の年俸がプロ初年度から高騰すると、クラブの経営が圧迫され最悪の場合には経営破綻のリスクもある。

その為Jリーグは新人選手の年俸に上限を作ることにより、年俸の高騰を抑えクラブの経営を助ける働きがある。

こうした流れになったのはプロ野球に対する反面教師でもある。プロ野球の世界は最近は年俸240万円の育成枠制度もあるが、年俸の上限は青天井である。

少し前のプロ野球では、ダイエー時代のホークスは選手に対する査定に甘くなり、大盤振る舞いをして親会社の経営不振もあって身売りしたり、近鉄も企業の粉飾決済防止の為の連結決算の為に、親会社が球団の年俸高騰に対する赤字を補填できなくなり、記憶に新しい球団合併騒動にまで発展したこともあった。

話をサッカーに戻すがJリーグは、そんなプロ野球の年俸高騰による経営破綻のリスクの歴史を知って、そのリスク回避を研究したシステムを構築した。それが上限480万円のC契約という仕組みである。<②に続く>