東京のビッグクラブの話だがこのメトロポリタン・トーキョーという巨大な街に、サッカーのメガクラブは確かにあったら楽しい。しかしお金以外に他にも必要なモノはある。

それは「ライバル」である。宿命のライバル。不倶戴天の敵。あいつの顔は見るのも嫌だ!!ムカつく(サッカーならあのクラブのユニフォームの色を見るのは本当にヘドが出る)!といった「あいつには絶対負けたくない!」という敵愾心(てきがいしん)がクラブを強くするのである。

現在(2015年)の世界最高峰のサッカーであるスペイン。その中でも究極の闘いであるクラシコ。2014年のブラジルW杯ではまさかのグループリーグ敗退であったが、今なおスペインが世界中のサッカーを愛する人々の憧れになる地であるのには違いはない。

そんなスペインのクラシコも、宿命のライバル対決からバルサとレアルと言う究極の二代巨頭が生まれたのである。

バルセロナのあるカタルーニャ自治州の人々にとってバルサは特別な存在である。それは単なるサッカークラブという枠組みのみではない。

1936年欧州は混沌としスペインもスペイン内線によりF・フランコの独裁政治で市民は自由を失った。バルセロナも市民の誇りであるカタルーニャ語の使用を禁じられ、首都であるマドリード(レアルのある街)に対する猛烈な反骨心が芽生えた。

しかし自らの誇りであるカタルーニャ語を唯一使える場所がバルサの本拠地であるカンプ・ノウ(現地読みでカム・ノウ)であった。

バルセロナ市民はサッカーを応援するというのは試合の勝ち負けのみならず、首都の(レアル)マドリードに対する歴史的な精算の意味がある。

そんな反マドリードに対する敵愾心がバルサというクラブをクラブの資産価値が100億円以上になるビッグクラブにさせたのである。<⑥に続く>