冒頭のタイトルである赤星憲広は病気の為に引退を余儀なくされたが、阪神の主力として活躍した韋駄天であり、中澤佑二の方は長らく日本代表のCBとして必要不可欠な選手だった。

「この2人が凄いのは解るが何の共通項があるんだ?独眼鉄?」と思う読者もいるだろうが、まあ読んでいってもらいたい。

まず赤星の方からいきたいが、あれだけダメ虎から真の猛虎軍団に変貌した一員だったのだから、さぞかし期待された入団かと思われるかもしれないが意外とそうでもない。

時は野村克也監督時代の阪神にまで戻るが、この時の阪神がアマチュアの全日本チームと合同合宿を張ることになった。この時のアマ全日本のメンバーに赤星が参加していたのである。

練習中に野村監督が「(赤星は)足が速いな」と思い、試しに当時の阪神で一番足の速い代走屋の選手と赤星を徒競走をさせてみた。

そうしたらプロ野球選手の代走屋よりアマチュアの赤星のほうが足が速かったのである。

野村監督は阪神のスカウトに「あの赤星という選手はどうなんだ?」と訊くと、「足は今見た通り速い。守備も問題なくこなす。しかし打撃はさっぱり駄目です」と言った。

しかし野村監督は「足と肩にはスランプはない。あの赤星という選手を獲ってくれ」と言い、赤星は2000年のドラフト4位で阪神に入団した。その後の赤星については説明は不要である。<②に続く>