村田兆治と城彰二。どちらもかたや野球かたやサッカーで一時代を築いた選手であるが、一見すると何の関連性も見られないように見える。しかし以前別々の媒体で彼らの現役に対する哲学を知り、今回のブログのテーマとした。

まず村田兆治から行こう。以前雑誌の企画でミュージシャンのピエール瀧(電気グルーヴ)が賞を獲ったか何かで、そのご褒美に村田兆治と3打席勝負をしたいということになった。

瀧も阪神の入団テストを受ける位野球はやりこんでいたが、結果は3打席勝負なのに村田が4アウトで圧勝であった。

その後村田と瀧の対談になったが瀧が「プロ野球ファンとして(村田の)試合を見ていて現役引退をあと5年遅くても選手をできたでしょう」と言うと、村田は「僕は投手は先発完投できなくなったら引退すると前々から決めていた」と言った。

村田の引退後に野球の商業化とそれに伴う分業制が確立されてWBCでは投手の球数制限までルールになっていったが、村田の時代の投手というのはピッチャーは9イニング投げてナンボという確固たる哲学があったのである。<後編に続く>