<前編からのつづき>ここまで台湾球界の八百長が起こる原因を考えてみたが、次に韓国サッカー界の八百長問題について見てみたい。
韓国人にとって国技とも言えるサッカーでの八百長は、台湾での八百長同様に韓国でも大きな波紋を呼んだ。
2011年のKリーグでブローカーから買収されたサッカー選手が、組織から受け取った1億2000万ウォン(約890万円)で同リーグの試合で消極的なプレーをしてチームを大敗させた、という顛末(てんまつ)があった。
韓国では八百長でのサッカー選手の自殺も起こり、メディアの取材や検察の調査により徐々にこの問題が浮き彫りになった。
韓国という国は儒教の伝統が色濃く残っており、年上や先輩の命令は絶対という考えが日本以上に強い。そして八百長の買収を促したブローカーも選手の現役時代の先輩であったことも、選手が八百長を断れなかった原因の1つである。
また韓国では学校の授業も「勉強組」「運動組」と別れていて、運動組の生徒は平日の昼間でも練習や試合もする。
この為韓国の運動選手は競技を引退した後に身を立てる手段がなく、仕方なくブローカーに手を染める元選手もいるのは事実である。
こうした問題から韓国政府も学校スポーツの在り方を変える取り組みが始まったが、八百長で失った信頼を取り戻すには時間がかかるのが現実である。
こうして台湾と韓国のスポーツ界で起こった八百長問題について述べてきたが、日本のスポーツ界も他人事ではないように見える。
今世界中であらゆる競技が商業化されてそれによって(まさに筆者のブログタイトルではないが)スポーツが現金化されている。
しかし競技や勝利が突き詰めて現金化されていくと、その競技からこぼれ落ちる人間というのがある一定数出てくるのも事実である。
競技の勝敗を煽るだけの商業メディアは「プロで問われるのは結果のみ」と自分の言葉にヒロイックになって酔っているが、しかし今回の視野の狭い結果至上主義ということばかり目がいって、試合で結果を出すという「逆転ホームラン」ばかりを考えるのではなく、選手の八百長を断れるくらいの待遇の改善やセカンドキャリアの充実など「四球で出た走者を送りバントで進塁させ、犠牲フライで得点」するような地道な努力をどの競技でもやっていかないとスポーツ界は取り返しのつかないことになる。八百長が発覚してファンが離れてからでは遅いのである。最後に政治学の言葉で締めたいが「1人の人間を長い間騙すことはできる。大勢を一瞬騙すこともできる。しかし大勢を長い間騙すことはできない」とある。「八百長」という詐欺で長い間ファンを騙すことはできないのである。スポーツに携わる人はこの言葉を肝に銘じてもらいたい。
参考文献 (台湾)Number 2009年7月2日号、(韓国)サッカーマガジン2011年6月28日号、同年7月5日号
韓国人にとって国技とも言えるサッカーでの八百長は、台湾での八百長同様に韓国でも大きな波紋を呼んだ。
2011年のKリーグでブローカーから買収されたサッカー選手が、組織から受け取った1億2000万ウォン(約890万円)で同リーグの試合で消極的なプレーをしてチームを大敗させた、という顛末(てんまつ)があった。
韓国では八百長でのサッカー選手の自殺も起こり、メディアの取材や検察の調査により徐々にこの問題が浮き彫りになった。
韓国という国は儒教の伝統が色濃く残っており、年上や先輩の命令は絶対という考えが日本以上に強い。そして八百長の買収を促したブローカーも選手の現役時代の先輩であったことも、選手が八百長を断れなかった原因の1つである。
また韓国では学校の授業も「勉強組」「運動組」と別れていて、運動組の生徒は平日の昼間でも練習や試合もする。
この為韓国の運動選手は競技を引退した後に身を立てる手段がなく、仕方なくブローカーに手を染める元選手もいるのは事実である。
こうした問題から韓国政府も学校スポーツの在り方を変える取り組みが始まったが、八百長で失った信頼を取り戻すには時間がかかるのが現実である。
こうして台湾と韓国のスポーツ界で起こった八百長問題について述べてきたが、日本のスポーツ界も他人事ではないように見える。
今世界中であらゆる競技が商業化されてそれによって(まさに筆者のブログタイトルではないが)スポーツが現金化されている。
しかし競技や勝利が突き詰めて現金化されていくと、その競技からこぼれ落ちる人間というのがある一定数出てくるのも事実である。
競技の勝敗を煽るだけの商業メディアは「プロで問われるのは結果のみ」と自分の言葉にヒロイックになって酔っているが、しかし今回の視野の狭い結果至上主義ということばかり目がいって、試合で結果を出すという「逆転ホームラン」ばかりを考えるのではなく、選手の八百長を断れるくらいの待遇の改善やセカンドキャリアの充実など「四球で出た走者を送りバントで進塁させ、犠牲フライで得点」するような地道な努力をどの競技でもやっていかないとスポーツ界は取り返しのつかないことになる。八百長が発覚してファンが離れてからでは遅いのである。最後に政治学の言葉で締めたいが「1人の人間を長い間騙すことはできる。大勢を一瞬騙すこともできる。しかし大勢を長い間騙すことはできない」とある。「八百長」という詐欺で長い間ファンを騙すことはできないのである。スポーツに携わる人はこの言葉を肝に銘じてもらいたい。
参考文献 (台湾)Number 2009年7月2日号、(韓国)サッカーマガジン2011年6月28日号、同年7月5日号