今日(2015年1月12日)からサッカー日本代表は真夏の豪州でアジアカップに挑む訳だが、そのアジアカップで代表を指揮するアギーレ監督が今八百長の嫌疑をかけられて物議を醸しているのは、日本のサッカーメディアでも多数報道されているので、このブログの読者もよくご存知であろう。

「八百長」。スポーツに関わる人間として最も許し難い行動でありながら、しかし世界中のスポーツの世界で止まることのない問題。筆者(独眼鉄)もスポーツのブログを書いて楽しいことも多いが、今回はこの問題から目を背ける訳にはいかないので八百長というテーマにフォーカスしてみた。

一口に八百長といってもいろんな競技で八百長があるが日本でも昨日から始まった大相撲でも八百長はあったし、ヨーロッパのサッカー界でも審判買収の話は聞く。ただ今回は台湾球界と韓国サッカーでの八百長問題について考えて見ようと思う。

まず台湾球界から考えてみたいが2009年の野球WBCで台湾代表は格下の中国代表に敗れた。かつては国際大会でも好成績を挙げ、力のあるプロ野球選手を日本にも輩出した台湾球界の凋落は国内外で衝撃を与えた。

しかし台湾球界は日本にプロ選手を送り出し国内リトルリーグが強かった1990年にCPBLを旗揚げし、この年を「職棒元年」とした。そしてその後次々と新球団がプロリーグに加盟した。

しかし96年に『黒鷹事件』で台湾球界での違法な野球賭博からの八百長が発覚し、当時のスター選手の永久追放や球界ぐるみで八百長に関わった球団の解散など台湾国内に衝撃を与える出来事になった。

八百長で失った台湾市民からの信頼は大きく、その後も台湾球界から新リーグや新球団の発足と解散を繰り返し、2009年の野球WBC後に残った球団はわずか4球団である。

台湾のプロ野球選手の年俸は安く下は月収3万元(約10万円)で最高でも83万元(約266万円)で、最も多いのが月収10万元(約32~61万円)の選手である。

八百長を促す台湾マフィアは、出場機会がなく収入も低い控えの選手に接触する。彼らは「ホワイト・グローブ(汚れなき手袋)」と呼ばれ、彼らを通じてレギュラー選手への買収を図るのである。相場は高い時は60万元(約192万円)と低年俸の選手にはかなりの収入になる。

また台湾では八百長での懲罰が、アメリカの懲役25年に対し台湾では3年と軽すぎることも八百長がなくならない理由だと言う指摘もある。

選手によってはマフィアからの脅迫を受けても八百長を拒否した勇敢な選手もいたが、台湾球界で八百長が起こる原因は色々あるがその1つに選手への待遇があまりにも低いことが挙げられる。<後編に続く>