今年最後のブログエントリーだと言うのにこんなタイトルかよ、と思うかも知れないがまあ読んでもらいたい。

今回はタイトルに貧乏人とあるが、要は昔の若者と今の若者との比較分析をしたいのである。昨今少子化が加速度的に猛スピードで進んでいるが、はっきり結論から言えば今の少子化は当然の結果に過ぎず、政治の世界の人達がやっている少子化政策は無意味な茶番劇と言われても仕方ないのである。

タイトルに「昔の貧乏人」とあるが昔も今も若者の95%は貧乏であることは、古今東西相場が決まっている話である(1970年代の南こうせつの「神田川」のように)。

しかし昔の貧乏人と今の貧乏人の決定的な違いは「将来の自分の人生に豊かさという上昇気流に乗って行けるか?」というところである。昔の貧乏人というのは「若者時代の現時点では貧乏でも将来歳をとれば収入が上がって豊かになれる」というフローの浮上の感覚が昔は(ボロを着てても心は錦ではないが)あった。勤め人なら、今は貧乏でも真面目に働けば昇給して子供も作れる、と思えた。昔は年収600万円の35歳男性より年収300万円の25歳男性の方が結婚相手が見つかった。

それ以外でも漫画家のアシスタントや演劇・映画のサードの助監督などいわゆる「夢追い人」の若者も「今は貧乏でも将来は…」と思って歯を食いしばって頑張っていたのである。

しかし1990年代の平成大不況から流れが変わった。当時の若者(今のアラフォー・ロスジェネ世代)は個人の努力や日本人特有の勤勉な国民性という部分だけで、グローバル化という激流には対抗できず、結局政治家や既得権のある特権的エリートの権威の食い物にされていった。

1日の半分を働いても食っていくのがやっと。市民を守る為のメディアや保護機関の(労働なら)労働基準監督署のような組織も、結局国家の言いなりでむしろ若者の労働者を陥れようとするから始末に終えない。仕事の中身も肉体労働や不熟練労働だから長い間仕事をしていても昇給のチャンスは無に等しく、むしろ経営者は若者や社員の未来なんかは石コロより価値がないと思い、勤続4年のアルバイトを正当な理由もなく(勤続5年働くと正社員にしないといけないので)自分たちの利益という都合のみで平気で解雇する。そういう企業の幹部が家庭で親となった時に(自分たちの都合で解雇通告を出した同じ口で)「自分の都合ばかり考えるな!」と子供に説教をする。ちゃんちゃらおかしい話である。

年の瀬に感情論になりたくはないのだが、昔の若者と今の若者とは時代背景が白と黒ぐらい違う。こういう時代のオヤジ世代の「俺の若い頃は…」という話ほど始末に終えないモノはない。

こういう時代になって今の世の中に生きる95%の若者は、昇給の望みもフローの意識もなくただただ絶望しながら生きているのである。利権を確保したい人間の為に子供を作る気なれない→子供を作らない→少子化が爆発的なスピードで加速する→日本政府が年金制度や「円」をソ連のルーブルやアルゼンチンのペソみたく、モアトリアムで紙屑同然にするという可能性も高いのである。

今の少子化政策の問題は来年(2015年)以降も書きたいので、又機会を見つけて書くつもりである。

お知らせ 今年の錦糸町の独眼鉄のブログは今日で終わりです。来年(2015年)は3ヶ日からは始めようと思いますが未定です。今年一年筆者の拙いブログを読んでくれてありがとうございました。それでは皆様良いお年を~!