今年も早いものであっという間に師走に突入した。2014年もまだ一ヶ月残っているがいろいろなことがあった。しかし来年(2015年)は東アジア(日本・中国・韓国)にとって非常に重要な年になるということである。

それは何が重要なのかを考えてみたい。まず日中関係から考えてみたいが今は日中関係は完全に冷えきっているが、そんな中でも中国にとって2015年というのはとても重要なのだが、それは何故かと言うと1945年とは日本だと第二次世界大戦での敗戦で特にアメリカとの太平洋戦争での敗戦のイメージが強いが、実は昭和12年(1937年)の盧溝橋事件から端を発した日中戦争が中国側の勝利で終戦したのが1945年、つまり2015年から逆算して70周年になる訳である。この年は中国にとって抗日戦争で勝利したことにより中国史に重要な位置付けをする年になるのである。

誤解のないように言っておきたいが筆者(独眼鉄)は戦争を賛美する気は更々ない。ただ中国人にとって1945年とそこから70周年となる来年(2015年)が彼らにとって重要な年だというのを説明したいだけである。

そして韓国との関係を見てみると、こちらも日中関係と同様に1945年8月15日は日本では終戦記念日だが、韓国では光復節といって祝日となる。

ただ韓国の場合それだけではなく現大統領の朴槿恵大統領の父親である朴正煕大統領が独裁政権をとっていた1965年6月25日に日本の佐藤栄作内閣と日韓基本条約を締結し、日本政府から戦後の韓国の植民地支配に対する賠償金として無償で3億ドル・有償で2億ドルを朴正煕政権に支払い、韓国はこの5億ドルの賠償金とベトナム戦争での米軍への参加に対する見返りとしての外貨(米ドル)で同政権の開発独裁により後の「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展に成功したのである。その為韓国にとっても2015年というのはこの条約が結ばれて50周年となり、中国同様に重要なターニングポイントとなる年である。

しかし半世紀の月日が経って今韓国のトップに立っているのがその娘だが、父親(朴正煕)がそれまでの前政権から180度方向転換し親日政権や戦後賠償の清算(あくまで国際法上だけだが)を進めたのに対して、娘(朴槿恵)の方は韓国国内の雇用の低下や財閥系企業と中小企業との賃金格差・日本同様の少子化や自殺率の高どまりなど山積みの内政問題に対して、自身の支持率の低下に対するスケープゴートとして反日を唱えている。これも一つの皮肉のように感じる。

こうして来年(2015年)は日中韓にとって重要な年になるのだが、ニュースなどで東アジア外交を考える時にただ反日を唱えているのではなく、その裏の歴史的背景を抑えるのも重要である。

参考文献 韓国大統領列伝 池東旭 中公新書 2002年、大統領を殺す国 韓国 辺真一 角川Oneテーマ21 2014年