今回のテーマは今年(2014年)の夏にやった若者の貧困シリーズと重複する部分もあるが、今考えている部分もあるのでまた考えたい。

近年の日本は爆発的な少子化が進行している。それは日本のみならず、イタリアやスペインといった欧州通貨危機の問題をモロに直撃している南欧や韓国や台湾・中国や香港といった教育熱心な価値観を重視している東アジアの儒教文化圏で加速度的に進行している。

特に韓国や中国といった儒教圏の少子化は深刻(というか日本含めて末期的)であり、前回のブログでも言った通りアジアでは教育を重視するあまり経済的カニバリズム(経済的共食い)が進行しつつある。教育を重視するが故に子供に金がかかりすぎ、結果として皮肉にも少子化の爆発的な進行を促進させるということである。

以前聞いたラジオで結婚する時男性は女性に若さを求め、女性は男性に経済力を求めるという言葉があった。その経済力というのは年収600万円を要求するというものであった(この額を求める女性は全体の4割に上る)。

筆者(独眼鉄)自身女性が男性に経済力を求めるのはべつに構わないと思う。女性は男性に人生を預けているから仕方がないと考える。しかし未婚男性のうち年収600万円に達するのは対象年齢全体の3.5%に過ぎないのである。

つまり年収600万円を求める女性は単純計算して競争率10倍の難関を突破しないといけないのである。かなり高いハードルである。

男性から見てみると未婚男性全体の96.5%は女性から「あなたとは結婚する価値がない」と戦力外通告を出されているようなものである。

前の話に戻るが未婚女性が男性に経済力を求める理由として教育費を挙げている。しかし人間が豊かに生きる為に教育があるのに、その教育界の利己的な都合による青天井のような教育費の高騰が、爆発的な少子化を加速させ結果的に経済的カニバリズムという現象を起こすのでは、教育自体が教育界の自慰行為に過ぎずただの本末転倒になるだけである。

今の時代、結婚に金がかかり過ぎる時代になり男性のほとんどが結婚する価値がないという烙印が押された社会となって、本当に少子化が止まると政府は考えているのか?

そもそも今の時代に教育とは本当に機能しているかは疑問である。漢字は書けない、英語は喋れない、歴史認識は誰も知らない。そういうものに2000万円の価値があるようには筆者には見えない。しかも大卒の三人に一人(33%)は就職できない。

筆者も教育の全てを否定したい訳ではない。iPS細胞の山中伸弥教授や近畿大学水産学部のマグロ養殖は凄いと思うし、お世話になっている研究しながら医療に携わるお医者様にも敬意も払う。

しかし今の時代教育費の高騰が少子化の爆発的な進行を促進させているようにしか見えない。本質的なものが欠落した中身に鬆(す・中身の隙間)ができた教育が日本社会を蝕んでいるのである。