今回も前回に引き続き漫画の画力論について考えてみようと思うが、そもそも漫画の世界にとってどういう漫画(すなわち絵)が適者生存として熾烈な環境の中で生き残るのだろうか?
絵がうまければ生き残るのか?否、前回も言ったように小手先のテクニックだけの絵はあっという間に淘汰されてしまう。では何が必要なのか?
答えになっているかどうかはわからないが漫画にとって必要なことは「自分の絵を持つ」ことのように思える。これは勿論ただ単に自分で描いた絵を物理的に抱えるという意味ではない。ここで言う絵を持つというのは漫画家というのは、最初は下手糞でもいいから自分自身の絵を(自分にしか描けない絵を)しっかり描けるようにするということである。
先日読んだ日本橋ヨヲコの「少女ファイト」で「漫画というのはどんなに絵が上手くても既にある1を2にすることしかできない人はプロになれない。どんなに絵が下手でも0を1にできる人だけが生き残れる」と言っていたが、画力論という意味でも絵画のテクニックというのは、あくまで自分(漫画家)が絵という表現手段を使う際に自分の絵の中にある感情や想いという(漫画の中で一番重要なメッセージ性)をより深く伝える為の補助の役割のようなものであって、テクニックそのものが目的になってしまったらある意味本末転倒のようなものである。
話を絵を持つという話に戻るが、最近熱心に読むようになった尾田栄一郎の「ONE PIECE」も(10年前から読んでいたが、最近この作品の尾田氏の深いメッセージ性に今更ながら気付いて何度も読み返している)、ただ単に画力という意味において尾田氏より高い画力のある漫画家はいない訳ではない。絵の上手い新人作家も腐るほどいる。しかしそんな熾烈な環境の中で何故尾田氏は10年以上No.1を維持し続けられたのか?
それは尾田氏は絵が上手くなりたいというより、ONE PIECEという作品(表現媒体)を使って、読み手となる子供や若者に辛い現実を生き抜く為のメッセージを麦わらの一味を通して伝えたいというブレない意思が強くあるからではないか、と勝手に推測してしまう。
話は脱線するがミュージシャンでも音楽を続けるのは自分がプレイヤーだから続けるという人もいれば、音楽というのは自分自身に対しての表現手段の一部という人もいる。尾田氏にとっての漫画は個人的に見て後者のように見える。自分よりONE PIECEに詳しいファンは腐るほどいるし(釈迦に説法?)、個人的に大尊敬する作家を上から目線で批評するなど恐れ多いのだが、漫画というものを考える上でテクニック論に溺れる若い作家が多いので、今回は画力が漫画にどういう風に影響を及ぼすかを考えてみた。
絵がうまければ生き残るのか?否、前回も言ったように小手先のテクニックだけの絵はあっという間に淘汰されてしまう。では何が必要なのか?
答えになっているかどうかはわからないが漫画にとって必要なことは「自分の絵を持つ」ことのように思える。これは勿論ただ単に自分で描いた絵を物理的に抱えるという意味ではない。ここで言う絵を持つというのは漫画家というのは、最初は下手糞でもいいから自分自身の絵を(自分にしか描けない絵を)しっかり描けるようにするということである。
先日読んだ日本橋ヨヲコの「少女ファイト」で「漫画というのはどんなに絵が上手くても既にある1を2にすることしかできない人はプロになれない。どんなに絵が下手でも0を1にできる人だけが生き残れる」と言っていたが、画力論という意味でも絵画のテクニックというのは、あくまで自分(漫画家)が絵という表現手段を使う際に自分の絵の中にある感情や想いという(漫画の中で一番重要なメッセージ性)をより深く伝える為の補助の役割のようなものであって、テクニックそのものが目的になってしまったらある意味本末転倒のようなものである。
話を絵を持つという話に戻るが、最近熱心に読むようになった尾田栄一郎の「ONE PIECE」も(10年前から読んでいたが、最近この作品の尾田氏の深いメッセージ性に今更ながら気付いて何度も読み返している)、ただ単に画力という意味において尾田氏より高い画力のある漫画家はいない訳ではない。絵の上手い新人作家も腐るほどいる。しかしそんな熾烈な環境の中で何故尾田氏は10年以上No.1を維持し続けられたのか?
それは尾田氏は絵が上手くなりたいというより、ONE PIECEという作品(表現媒体)を使って、読み手となる子供や若者に辛い現実を生き抜く為のメッセージを麦わらの一味を通して伝えたいというブレない意思が強くあるからではないか、と勝手に推測してしまう。
話は脱線するがミュージシャンでも音楽を続けるのは自分がプレイヤーだから続けるという人もいれば、音楽というのは自分自身に対しての表現手段の一部という人もいる。尾田氏にとっての漫画は個人的に見て後者のように見える。自分よりONE PIECEに詳しいファンは腐るほどいるし(釈迦に説法?)、個人的に大尊敬する作家を上から目線で批評するなど恐れ多いのだが、漫画というものを考える上でテクニック論に溺れる若い作家が多いので、今回は画力が漫画にどういう風に影響を及ぼすかを考えてみた。