前回・前々回とこのブログで米国サッカー界の国内における変化について色々語ってきたが、今回はその国内プロサッカーリーグMLS(メジャーリーグサッカー)における試合での集客力について考えてみようと思う。
以前にも言ったことだが米国は「サッカー不毛の地」と世界から揶揄されていた国だが(もっとも米国はどんな文化や娯楽でも「俺達〔米国〕の文化が世界で一番だっ!」と信じて疑わない国民性なのだが)、今まで言ってきたように米国の中でも価値観や意識に変化が出てきた。
ブラジルW杯決勝と同じ日の2014年7年13日にMLSで一番の人気チームのシアトル・サウンダーズvsポートランド・ティンバーズの試合が試合で行われ、その試合はNFLシアトル・シーホークスの本拠地での試合で(同じ西海岸北部の大都市同士ということもあったのだろうが)、このスタジアムに64207人の米国サッカーファンが集まった。W杯決勝の日とは時間帯が違うとはいえ(決勝の7時間後)、同じ日に国内リーグの試合をする所が歴史的に「名誉ある孤立(モンロー主義)」を唱えた国らしいが、それにしてもこのチームの集客力には目を見張るものがある。
日本のJリーグと比較しても日本一の人気チームの浦和レッズの1993~2011年までのホームゲームの平均来場者数が30360人に対し、シアトル・サウンダーズの今シーズン(開幕の3月から7月27日現在まで)の平均は42771人(2011シーズンは平均38495人)とMLS加盟が2009年の新興チームにも関わらずかなりの集客力である。
なぜシアトルがここ数年でこれだけの訴求力のあるチームを作ることができたのか?それにはいくつかの外的要因がある。それはシアトルにある他のプロスポーツチームとの兼ね合いである。2008年にシアトルにあったNBAのスーパーソニックスがオクラホマ州に移転したのと、MLBのシアトルマリナーズが2001年を最後にプレーオフを逃してきた(内7年は西地区最下位)のが要因としてあって、弱いチームを応援する気になれないシアトル市民のプロスポーツへの欲求に対する受け皿としてサウンダーズがなっているのである。
サウンダーズのみならずMLS全体の2011年ホーム平均来場者数も17872人とNBA(17323人)やNHL(17132人)のそれより上回り、同年のJ1J2来場者数の平均(15797人)よりも多いのである。
以前日本人初のMLSプレーヤーとなった木村光佑(現ポートランド)がコロラドラピッツ時代に同チームがMLSを制覇し全米王者になった時「コロラドには違うプロスポーツチームもあるから勝たないと地元住民がチーム(ラピッツ)に振り向いてくれない。勝たなきゃ駄目だ」と言っていたが、特に日本以上に勝利に執着する国民性もあって木村は米国でプロスポーツ選手を生業とする厳しさをコメントしていた。
こうやって今まで米国におけるプロサッカーの試合の集客力が他のプロスポーツリーグや日本のJにも引けを取らないくらい強い訴求力を持つリーグなことがわかった。全米でも競技人口も多いサッカー。自国での人気も国際大会での実力も日本より上かもしれない。
参考文献 Number 858 2014年8月21日号・週刊東洋経済 2012年3月10日号・週刊サッカーダイジェスト 2012年8月7日号
以前にも言ったことだが米国は「サッカー不毛の地」と世界から揶揄されていた国だが(もっとも米国はどんな文化や娯楽でも「俺達〔米国〕の文化が世界で一番だっ!」と信じて疑わない国民性なのだが)、今まで言ってきたように米国の中でも価値観や意識に変化が出てきた。
ブラジルW杯決勝と同じ日の2014年7年13日にMLSで一番の人気チームのシアトル・サウンダーズvsポートランド・ティンバーズの試合が試合で行われ、その試合はNFLシアトル・シーホークスの本拠地での試合で(同じ西海岸北部の大都市同士ということもあったのだろうが)、このスタジアムに64207人の米国サッカーファンが集まった。W杯決勝の日とは時間帯が違うとはいえ(決勝の7時間後)、同じ日に国内リーグの試合をする所が歴史的に「名誉ある孤立(モンロー主義)」を唱えた国らしいが、それにしてもこのチームの集客力には目を見張るものがある。
日本のJリーグと比較しても日本一の人気チームの浦和レッズの1993~2011年までのホームゲームの平均来場者数が30360人に対し、シアトル・サウンダーズの今シーズン(開幕の3月から7月27日現在まで)の平均は42771人(2011シーズンは平均38495人)とMLS加盟が2009年の新興チームにも関わらずかなりの集客力である。
なぜシアトルがここ数年でこれだけの訴求力のあるチームを作ることができたのか?それにはいくつかの外的要因がある。それはシアトルにある他のプロスポーツチームとの兼ね合いである。2008年にシアトルにあったNBAのスーパーソニックスがオクラホマ州に移転したのと、MLBのシアトルマリナーズが2001年を最後にプレーオフを逃してきた(内7年は西地区最下位)のが要因としてあって、弱いチームを応援する気になれないシアトル市民のプロスポーツへの欲求に対する受け皿としてサウンダーズがなっているのである。
サウンダーズのみならずMLS全体の2011年ホーム平均来場者数も17872人とNBA(17323人)やNHL(17132人)のそれより上回り、同年のJ1J2来場者数の平均(15797人)よりも多いのである。
以前日本人初のMLSプレーヤーとなった木村光佑(現ポートランド)がコロラドラピッツ時代に同チームがMLSを制覇し全米王者になった時「コロラドには違うプロスポーツチームもあるから勝たないと地元住民がチーム(ラピッツ)に振り向いてくれない。勝たなきゃ駄目だ」と言っていたが、特に日本以上に勝利に執着する国民性もあって木村は米国でプロスポーツ選手を生業とする厳しさをコメントしていた。
こうやって今まで米国におけるプロサッカーの試合の集客力が他のプロスポーツリーグや日本のJにも引けを取らないくらい強い訴求力を持つリーグなことがわかった。全米でも競技人口も多いサッカー。自国での人気も国際大会での実力も日本より上かもしれない。
参考文献 Number 858 2014年8月21日号・週刊東洋経済 2012年3月10日号・週刊サッカーダイジェスト 2012年8月7日号