少し前の話になるが、夏のワールドカップ(W杯)で米国代表はこの大会でグループリーグを突破し、ベスト16に食い込んだ。2002年の日韓大会のベスト8には及ばなかったが、毎回W杯ではコンスタントに良い成績を挙げている国なので、サッカー米国代表は世界的にみても強豪の部類に属するチームに思える。
しかしそんな米国サッカー界も以前は「サッカー文化不毛の国」と揶揄されていたのは有名である。かの地でフットボールと言えばアメフトのことを指し、サッカーというのは他の国ほどメジャーな競技ではなかった。
しかしそんなサッカー米国代表と同国のサッカー界も、近年は地殻変動が起こってきた。先日筆者(独眼鉄)が愛読している雑誌Numberの858号(2014年8月21日号)で興味深い記事があった。
それはブラジルW杯で米国サッカー代表の試合の視聴率がNBAや他の競技のそれを上回ったということである。W杯のGL米国vsポルトガル戦の視聴者が2470万人に対して同時期のNBAファイナルのスパーズvsヒートが1550万人の視聴者だったと書かれている。米国vsポルトガル戦が東海岸で午後6時キックオフという好条件もあったが、米国内でサッカー人気が1994年のW杯米国大会より盛り上がっているのは注目すべき点である。
これらのサッカー米国代表の試合の視聴者は主としてヒスパニックやラティーノと呼ばれる米国内における中南米のスペイン語圏からの移民である。彼らは日常生活でもスペイン語を話し、中南米で人気の高いサッカーを支持し結果として米国内のサッカー人気の底上げにつながっている。
彼らヒスパニックやラティーノと呼ばれる中南米からの移民というのはスポーツという娯楽の世界のみならず、米国の一般社会の中でも大きな役割を果たしている。以前筆者のブログ(2013年10月12日号・雇用・その17・アメリカのヒスパニックと日本の新華僑)で米国のヒスパニック(ラティーノ)が米国に合法非合法問わず富と仕事を求めてリオグランデを渡り、彼らが(日本の新華僑同様に)米国内の建設現場やコンビニ・レストラン・工場での不熟練労働・農作業などの第1次産業での労働など、所謂日本で言う「3K」の仕事に従事し、米国内でラティーノが全員母国に帰国したら米国経済が機能不全になるぐらい米国内ではラティーノの存在は大きくなっている。
またラティーノは宗教上避妊が出来ない為彼らの家庭は大抵子沢山になり、結果として米国内でのラティーノの人口は上昇の一途を辿り、大統領選挙ではラティーノの票がオバマ政権の票田となりオバマ再選の重要な役割を見せた。
話は脱線してしまったが米国における中南米から移民というのは米国内において無視出来ないくらい大きな発言力を持っている。
そうした彼らラティーノのスポーツの世界で、大きなアイデンティティーの構築の中心となる競技の一つがサッカーなのである。元々米国内でサッカーというと日本で言うソフトボールのようにレクリエーションや女子向けのような役割のスポーツで、アメリカ人にとって決して馴染みの薄いスポーツではない。
その為に利にさとい彼らが母国でサッカーを使ったビジネスをやっても不思議はない。実際に米国にはプロサッカーの試合で興行する時、米国代表と中南米の国の代表チームを招聘して代表試合をする時、米国内のその国の移民が多いエリアの街のスタジアムで試合をやり大きな興行収入を挙げていることも多く、この手法はアフリカ系の代表との試合でもよく使われるやり方である。
このように近年米国も国内事情が変わってきて、それによって同国のプロスポーツも変化しつつある。米国の変化はマクロ経済でもプロスポーツの世界でも目が離せない。
しかしそんな米国サッカー界も以前は「サッカー文化不毛の国」と揶揄されていたのは有名である。かの地でフットボールと言えばアメフトのことを指し、サッカーというのは他の国ほどメジャーな競技ではなかった。
しかしそんなサッカー米国代表と同国のサッカー界も、近年は地殻変動が起こってきた。先日筆者(独眼鉄)が愛読している雑誌Numberの858号(2014年8月21日号)で興味深い記事があった。
それはブラジルW杯で米国サッカー代表の試合の視聴率がNBAや他の競技のそれを上回ったということである。W杯のGL米国vsポルトガル戦の視聴者が2470万人に対して同時期のNBAファイナルのスパーズvsヒートが1550万人の視聴者だったと書かれている。米国vsポルトガル戦が東海岸で午後6時キックオフという好条件もあったが、米国内でサッカー人気が1994年のW杯米国大会より盛り上がっているのは注目すべき点である。
これらのサッカー米国代表の試合の視聴者は主としてヒスパニックやラティーノと呼ばれる米国内における中南米のスペイン語圏からの移民である。彼らは日常生活でもスペイン語を話し、中南米で人気の高いサッカーを支持し結果として米国内のサッカー人気の底上げにつながっている。
彼らヒスパニックやラティーノと呼ばれる中南米からの移民というのはスポーツという娯楽の世界のみならず、米国の一般社会の中でも大きな役割を果たしている。以前筆者のブログ(2013年10月12日号・雇用・その17・アメリカのヒスパニックと日本の新華僑)で米国のヒスパニック(ラティーノ)が米国に合法非合法問わず富と仕事を求めてリオグランデを渡り、彼らが(日本の新華僑同様に)米国内の建設現場やコンビニ・レストラン・工場での不熟練労働・農作業などの第1次産業での労働など、所謂日本で言う「3K」の仕事に従事し、米国内でラティーノが全員母国に帰国したら米国経済が機能不全になるぐらい米国内ではラティーノの存在は大きくなっている。
またラティーノは宗教上避妊が出来ない為彼らの家庭は大抵子沢山になり、結果として米国内でのラティーノの人口は上昇の一途を辿り、大統領選挙ではラティーノの票がオバマ政権の票田となりオバマ再選の重要な役割を見せた。
話は脱線してしまったが米国における中南米から移民というのは米国内において無視出来ないくらい大きな発言力を持っている。
そうした彼らラティーノのスポーツの世界で、大きなアイデンティティーの構築の中心となる競技の一つがサッカーなのである。元々米国内でサッカーというと日本で言うソフトボールのようにレクリエーションや女子向けのような役割のスポーツで、アメリカ人にとって決して馴染みの薄いスポーツではない。
その為に利にさとい彼らが母国でサッカーを使ったビジネスをやっても不思議はない。実際に米国にはプロサッカーの試合で興行する時、米国代表と中南米の国の代表チームを招聘して代表試合をする時、米国内のその国の移民が多いエリアの街のスタジアムで試合をやり大きな興行収入を挙げていることも多く、この手法はアフリカ系の代表との試合でもよく使われるやり方である。
このように近年米国も国内事情が変わってきて、それによって同国のプロスポーツも変化しつつある。米国の変化はマクロ経済でもプロスポーツの世界でも目が離せない。