華やかなJリーグの世界。その歴史も1993年のバブル末期から気付けば20年以上の年輪を刻み、世界有数の成功したプロスポーツリーグとして発展した。
しかし開始当初は1部リーグのみで10チームしかなかったリーグが、20年以上経ち3部リーグまで出来てJ全体で51チームと五倍まで拡大し、バブル期は羽振りが良かったスポンサーや広告収入も大不況の上にチーム数の増加で、1チームに入る収入も当然のように激減した(それプラス空洞化による地方経済の疲弊もJチームのスポンサー収入の低下に拍車をかけてる)。
そんな下部リーグのスポンサー収入の低下による強化費の捻出に対して「できない理由」ばかりフロントが言ってもサポやファンから不満や顰蹙を買うだけがオチである。地方の弱小クラブはなりふり構わず強化費の捻出をしなければチームの存続も危ういのである。そこで今回は2つのクラブの強化費捻出手段を紹介したい。
まずJ3ガイナーレ鳥取の方から紹介するが、昨年現役引退し今年から同クラブのGMを務める岡野雅行(ジョホールバルの歓喜で決勝点を決めた元日本代表FW)が地元の境港の漁港と手を組んだ「野人と漁師のツートッププロジェクト!」である。
ご多分に漏れず資金繰りの厳しい下部リーグの鳥取が地元境港の漁協にスポンサーを頼みに行ったところ、漁協関係者曰く「うちにはお金はないけど、旨い魚なら一杯ある」と言われ、それなら岡野GMと漁協が異色のコラボで「ダメもとで故郷納税みたいに寄付を募って、寄付してくれた人へお礼に境港の海産物を贈るのはどうだ?」ということになり、1口5000円で2口以上寄付してくれた人に天然の良港である境港の紅ズワイガニや海産物詰め合わせ・干物詰め合わせを贈るというプロジェクトで、集まったお金のうち経費を除いた資金を決定力不足の「ガイナーレの10番にふさわしい選手」獲得に充てるという(剰余金は施設管理に充てる)。…追記 結局このプロジェクトで5296口、2648万円もの金額がガイナーレ鳥取に集まった。
そんな鳥取に対しJ2愛媛FCはファンドによる資金調達でストライカーを獲得するという動きがあった。元々愛媛は失点数はリーグ中位ながら慢性的な決定力不足でリーグ下位に甘んじてきたが、今回のストライカーファンドで資金調達して点取り屋を獲得しJ1昇格を狙うのである。
しかし今回の愛媛のこの動きは寄付や募金ではなくファンドなので、点取り屋獲得で稼いだ勝ち点(試合の興行収入)を出資者に配当金を還元できなければファンドは成功とは言えないのである。もしストライカーが不発でチームが低迷したままならファンドは手数料だけかかって失敗となる。
しかしそれでもJ2下位に低迷する地方クラブがファンドで資金調達するというアイデアが日本国内に与えるインパクトは強いものがある。
事実同クラブは愛媛県内のみならず東京や大阪といった大都市圏の愛媛県出身者にも同地でファンドの説明会をやり、結果として目標額の2300万円には到達しなかったものの、最終的に約1800万円が集まりクラブはこの資金の一部でリカルド・ロボ(元栃木SC)の獲得に成功した(ロボはチームに加入し2014年8月にはJ2で3得点を稼いでいる)。
こうして現在Jの下部リーグの地方クラブは色々知恵を絞って強化費の捻出の為に奔走している訳だが、華やかなJリーグの世界でもその全国津々浦々にある地方クラブは資金繰りに苦しんでいるのである。そんな我が街のJクラブを上位リーグに昇格させる為にクラブのフロントは日夜奔走しているのである。
参考文献 J2マガジン 2014年10月号 CLUB奮闘録 クラブ経営を考える ベースボールマガジン社
しかし開始当初は1部リーグのみで10チームしかなかったリーグが、20年以上経ち3部リーグまで出来てJ全体で51チームと五倍まで拡大し、バブル期は羽振りが良かったスポンサーや広告収入も大不況の上にチーム数の増加で、1チームに入る収入も当然のように激減した(それプラス空洞化による地方経済の疲弊もJチームのスポンサー収入の低下に拍車をかけてる)。
そんな下部リーグのスポンサー収入の低下による強化費の捻出に対して「できない理由」ばかりフロントが言ってもサポやファンから不満や顰蹙を買うだけがオチである。地方の弱小クラブはなりふり構わず強化費の捻出をしなければチームの存続も危ういのである。そこで今回は2つのクラブの強化費捻出手段を紹介したい。
まずJ3ガイナーレ鳥取の方から紹介するが、昨年現役引退し今年から同クラブのGMを務める岡野雅行(ジョホールバルの歓喜で決勝点を決めた元日本代表FW)が地元の境港の漁港と手を組んだ「野人と漁師のツートッププロジェクト!」である。
ご多分に漏れず資金繰りの厳しい下部リーグの鳥取が地元境港の漁協にスポンサーを頼みに行ったところ、漁協関係者曰く「うちにはお金はないけど、旨い魚なら一杯ある」と言われ、それなら岡野GMと漁協が異色のコラボで「ダメもとで故郷納税みたいに寄付を募って、寄付してくれた人へお礼に境港の海産物を贈るのはどうだ?」ということになり、1口5000円で2口以上寄付してくれた人に天然の良港である境港の紅ズワイガニや海産物詰め合わせ・干物詰め合わせを贈るというプロジェクトで、集まったお金のうち経費を除いた資金を決定力不足の「ガイナーレの10番にふさわしい選手」獲得に充てるという(剰余金は施設管理に充てる)。…追記 結局このプロジェクトで5296口、2648万円もの金額がガイナーレ鳥取に集まった。
そんな鳥取に対しJ2愛媛FCはファンドによる資金調達でストライカーを獲得するという動きがあった。元々愛媛は失点数はリーグ中位ながら慢性的な決定力不足でリーグ下位に甘んじてきたが、今回のストライカーファンドで資金調達して点取り屋を獲得しJ1昇格を狙うのである。
しかし今回の愛媛のこの動きは寄付や募金ではなくファンドなので、点取り屋獲得で稼いだ勝ち点(試合の興行収入)を出資者に配当金を還元できなければファンドは成功とは言えないのである。もしストライカーが不発でチームが低迷したままならファンドは手数料だけかかって失敗となる。
しかしそれでもJ2下位に低迷する地方クラブがファンドで資金調達するというアイデアが日本国内に与えるインパクトは強いものがある。
事実同クラブは愛媛県内のみならず東京や大阪といった大都市圏の愛媛県出身者にも同地でファンドの説明会をやり、結果として目標額の2300万円には到達しなかったものの、最終的に約1800万円が集まりクラブはこの資金の一部でリカルド・ロボ(元栃木SC)の獲得に成功した(ロボはチームに加入し2014年8月にはJ2で3得点を稼いでいる)。
こうして現在Jの下部リーグの地方クラブは色々知恵を絞って強化費の捻出の為に奔走している訳だが、華やかなJリーグの世界でもその全国津々浦々にある地方クラブは資金繰りに苦しんでいるのである。そんな我が街のJクラブを上位リーグに昇格させる為にクラブのフロントは日夜奔走しているのである。
参考文献 J2マガジン 2014年10月号 CLUB奮闘録 クラブ経営を考える ベースボールマガジン社