今月に入り「若者の貧困と日本社会の在り方」シリーズを続けていて(そろそろ「スポーツの現金化」もやりたいが…)、今の時代の少子化を促進させるものは何かという問題と向き合う訳だが、今の時代若い男女が恋に落ち恋愛をし、結婚をして出産そして育児をするというプロセスは20世紀までは普通のことだったのに、21世紀に入ってからは急にセレブのような特権階級の贅沢な行動に変わった感がある。

今の時代、結婚相談所に来る女性はパートナーになる男性に求める年収は600万円と言うが(求めるのは自由だが)、実際には未婚男性のうち年収600万円以上の人は該当者の3.5%に過ぎず条件にかなう人が30人に1人というならば、「結婚=セレブのような特権階級の贅沢」と言われても仕方ない。

それは愚か現在の20~30代の若い男性の雇用は非正規雇用が中心で、日本には2000万人いるという非正規雇用というのは、年収200万円だから結婚どころかその日の生活だけで精一杯なのである。非正規雇用の半分が未婚男性ならば、結婚適齢期の男性が1000万人が年収200万円ということにある。

当然彼らは自分たちが、同世代の女性から自分が相手にされないことを知っているのでコンカツもしない。先日のR25で「恋愛諦め男子」とあって、統計のデータで20~30代の男子の6割が最初から彼女を作るのを諦めているというし、前にもいったが内閣府の「結婚・家族形成に関する調査」で30代男性の7割が彼女がいないとも言われている。

こうしたデータは今の時代、ある種起こるべくして起こる当然の結果と筆者は受け止めている。だいいち非正規雇用の年収200万円の未婚男性が恋愛できる訳ないし、彼らがもし恋愛してもその未婚男性が彼女のご両親に挨拶しにいく時「お嬢さんを僕に下さい!」「お前(挨拶に来た非正規雇用の男性)は仕事は何だ?」「非正規雇用で年収200万円です」「おととい来やがれ!」と言われるのがオチである。最初から非正規雇用の若者は自分が相手にされないのがわかっているから恋愛しない(というより「したくてもできない」)。そのため若い女性が恋愛したくても、肝心のパートナーになる男性がベタ引きでガチガチに守って内向きに消極的になる。かくして若い男女が恋愛しない(できない)ということになる。若者に恋愛させたいなら、大企業の株価と利潤にしか役に立たない非正規雇用を撤廃し正規雇用を促進させるべきだが、短期的な利潤しか見えてないマスコミや大企業がそんなことする訳ない。そのため少子化はどんどん加速するべくしてする。

前にも言ったことではあるが若い男女が恋愛しないということは、当然子供が産まれないことになるので、年金制度の破綻も当然のことだが日本の通貨である円の通貨暴落(モアトリアム)にも繋がることになる。

結局今の既得権益を持っている人間が、自分たちの既得権益を確保しながら年金も手に入れようと考えるのは、アクセル全開にしながら急ブレーキをかけるようなもので矛盾以外の何者でもないのである。

参考文献 R25 2014年6月5日号 同2014年7月17日号