今朝ネット絶ちをして日本対コロンビア戦を見ていた。もう結果は知っているだろうからぶっちゃけますけど、1-4で大敗。見ていてブラジル大会は(悪い意味で)2006年のドイツ大会をトレースしたような内容の大会であった(コロンビア戦では怪我をしている訳でもないのに相手の第2GKが交代していた。ドイツ大会でも第3戦でブラジル代表に同じことをされていた。完全に舐められてた)。この大会を見ていて悲しくない訳ではないのだが、少し思うところがあった。

南アフリカ大会後にイタリアからザッケローニ監督を招聘し、ブラジル大会に向けて4年間努力と研鑽を積み重ねてきた。招聘後に翌年の中東のアジア杯で優勝を果たし、JFAがマッチメークした強化試合を着々とこなし監督の下でチームの構築を4年間続けてきた。

日本国民は皆、日本代表が努力をしていた姿を知っているし勝算もあったのだろう。しかし国民の強い想いを背負って闘って努力を続けてきたのは他の国を同じであった。

今大会の惨敗を見てきて思ったのは敗戦の責任は(勿論チーム全体にもあるが)、努力している自分たちに自己陶酔していたチーム・協会・メディア・日本のサッカーファン全体にあったように思う。「自分たちはこんなに努力したから報われる」「自分たちは特別なんだ」という自信が過信にいつしか変わり、それば気がつかない間に慢心になっていたように感じる。この敗戦の理由を語るのは今の代表を負けたからなじるのではなく、一(いち)ヌルサッカーファンの筆者(独眼鉄)含めて代表を愛する日本人全員の責任のように思えたからだ。

日本代表の試合以外でも他の国の試合を見ていても、昨日のメキシコ対クロアチア戦でもメキシコがメキシコ伝統のショートパスを繋いで小柄な選手達を走らせて、連動性を高めて地上戦でゴールを襲うという消耗戦で6大会連続のベスト16入りを果たし、グループDの草刈り場の立場だったコスタリカも初戦でウルグアイを叩いた後、イタリア戦でもアズーリの「カテナチオ」のお株を奪うような堅守速攻で快勝し、サッカーの母国イングランドを蹴落としグループリーグ突破を決めた。

メキシコは大陸予選で大陸間プレーオフまで縺れた(もつれた)上に、ブラジル大会はアジア勢がGLで苦戦しているので次のロシア大会ではアジア枠を削られるのは覚悟しなければならないが、その一方で日本代表はロシアW杯に向けて、こうしたチームがこれからのチームの方向性に必要なアイデアが埋まっているように感じる。それまでアジアと同じくサッカー不毛の地と揶揄されていた北中米・カリブ海地区の活躍はロシア大会に向けてのヒントがあるように思える。

後これから敗戦の責任を問われるであろうJFAも敗戦を受け入れるのも重要だが、ただ勝てば何でもいいとかプロで問われるのは結果のみと空砲のような掛け声だけでなく、そして日本でサッカーを愛している人間達の想いの結晶のようなお金を自分の金のようにばらまくのではなく、アジアサッカー界における日本代表の立ち位置を考えた上で「日本のサッカーはこれだ!」「○△×の技術・プレーなら日本代表!」(○△×の中に具体的な技術が入る。前述のメキシコのショートパスのように)といった日本サッカー界の世界に示せるブラジル大会にはなかった新たな「お家芸」がロシア大会までの4年間に構築してほしい。ブラジル大会の日本代表のサッカーを見てそう思った。