先週の日曜日(2014年5月18日)にジェフのホームグラウンドのフクアリでJ2の試合があり、ジェフが札幌に勝った。その時の決勝ゴールを決めたのが高卒3年目のジェフのJrユースからの生え抜き選手の井出遥也(いで・はるや)である。筆者(独眼鉄)もブログのタイトルで「ジェフとボクシングを愛する~」と謳っておきながらジェフのことをほとんど書いてないブログなので、それは自分としてもどうなのかとも思っていたのだが(ジェフの試合の分析という意味では他のブロガーさんを見ればいいので筆者のブログにそういう役割があるとも思えないので)、今回は少しサッカー選手の初ゴールまでの費用を考えてみたい。

サッカー選手の育成という意味では少し前はガンバ大阪やコンサドーレ札幌・東京ヴェルディ、今だったらセレッソ大阪が注目されているが(札幌の場合は関係者によるとトップチームの人材難の問題もあったらしいが)、どこのクラブでもJrユースからの生え抜きのプロ選手というのはクラブの顔になる選手なので、フロントもサポーターも渇望する人材である。

そのJrユース上がりの選出がトップチーム(Jリーガー)になるのにはJリーグでは「トレーニングコンベンセーション(TC)」という育成補償金の制度があり、ユース上がりの選手が移籍する際、選手を獲得するクラブは前所属クラブ(選手を育てたクラブ)にお金を支払わなければいけないが(東京ヴェルディはいい若手選手を輩出して移籍金で利益を上げているクラブであるが)、サッカー選手を1人育てるにも獲得クラブは多額の支払いが必要で、それだけサッカー選手を育てるにはお金がかかるのである。

井出遥也の例で考えて見ると13~15歳まではJrユースなのでJ1J2で一律一年でTC額が100万円(三年間で300万円)、ユースならJ2(今のジェフ)で一年で400万円(三年間で1200万円)、それにプロ生活三年間の分でこちらも一年で400万円になり三年間で1200万円で合計300万+1200万+1200万=2700万円となる。先日の井出の初ゴールを手に入れるまでにクラブはここまで手間暇をかけて育てたのが伺える(勿論井出本人の努力もあるだろうが)。

井出の場合ジェフなのでJ2なので前述の試算になったが、これがJ1クラブのユース上がりの高卒三年目の選手ならユースとプロでの一年当たりのTC額が800万円になるのでJrユースからのTCの総額は100万×3(Jrユース)+800万×3(ユース)+800万×3(プロ三年間)=5100万円となる。

世間では夢を売るJリーガー(プロサッカー選手)は華やかで注目されているが、そのJrユースの生え抜き選手を1人育てるのに多額の費用が必要なのである。

参考文献 週刊サッカーダイジェスト 2014年5月13日号 2014年版 サッカーとお金の話

追伸 今回仮定の話として井出の移籍金の話を書きましたが(移籍されても困るが)、この2700万円の移籍金というのは(この場合は)クラブ(=ジェフ千葉)に入る金で井出の高卒三年目の立場なら年俸はC契約(上限480万円)+出場給が妥当である。