先日盛り上がったソチ五輪。ここ何年のメガスポーツイベントでは女性アスリートの方が好成績を挙げていたが、このソチ五輪ではスキー・ジャンプの葛西紀明が41歳で銀メダルと団体での銅メダルを獲得して「レジェンド」と称され、日本の男性アスリートでもまだまだやれることを証明した大会であった。

一方で若手も伸びてきてこのソチ五輪では弱冠19歳の羽生結弦が男子のフィギュアスケートで金メダルを獲得して、先日は彼の地元の仙台で凱旋パレードが行われて約92000人の仙台市民が地元の新ヒーローを見ようと、このパレードに集まったという。

しかしこのフィギュアスケートという世界は筆者(独眼鉄)もソチ五輪の後に気になって調べみたが、このブログを読んでくれているヘビーリーダーの人なら解ると思うが、ご多分に漏れず金のかかる世界なのである。

筆者(独眼鉄)は元々フィギュアスケートのような貴族階級のジェントルマンが興味を持つような高尚なスポーツより、(冬季種目なら)アイスホッケーや(自分が注目するなら)ボクシングや柔道、また元々労働者階級のスポーツのサッカーの方が興味があり、このブログを始めるまでフィギュアスケートは選手の名前ぐらいしか知らなかった。

しかしこのブログを始め、フィギュアスケートのリンクの氷の中に眠るゼニについて今回調べてみた。

今テレビ局はコンテンツ不足に苦しみ、ある程度数字(視聴率)が計算出来るサッカー以外のコンテンツ探しに躍起になっている(フジテレビがボクシングに強化したのはその象徴である)。ドラマの視聴率が失墜している今、冬季限定とはいえフィギュアスケートの視聴率はテレビ局としてはキラーコンテンツである。少し古い資料だがバンクーバー五輪の女子フリーの視聴率が36.3%、09年の全日本フィギュアの女子フリーが28.9%と国内の幅広い層に根強く支持されるのがフィギュアスケートなのである。

またフィギュアの場合は演技の中でクラシック音楽を流すので、その音楽つきのフィギュアのDVDを販売したところ5000枚でヒットとされるDVD業界で高橋大輔のDVDが3万枚のセールスを記録したという。

勿論フィギュアスケートのライブ観戦も人気である。フィギュアの日本公演では日本のトップスケート選手が参加して、チケットはほぼ完売。しかしチケットの値段はアリーナSS席で25000円と手軽な値段ではない。

優雅に氷上を舞う妖精達の足元も多額のゼニや多くの人間の人的・物的サポートによって成り立っている。村主章枝は2009年のフィギュアスケートの活動に2500万円かかったという。競技を続ける上で一年単位ではなく複数年のサポートが必要だと言う。

華麗に氷上を舞う様々な氷の妖精たち。しかし彼(彼女)らの足元もまた血の海かもしれない。

参考文献 週刊東洋経済 2010年5月15日号 スポーツビジネス徹底解明