筆者(独眼鉄)もブログを始めて1年弱で、その中でも自分のブログの中でメインストリームになっている「スポーツの現金化」(「雇用」など他のテーマも進めたいのだが)で自分が好きなボクシングやサッカーのみならず筆者のそれまで興味なかったジャンルの競技も(偏りがあるのはよくないので)色々調べているのだが、先日このブログの資料のスクラップを整理していたらF1の運営資金についての記事が(少し古い資料なのだが)出てきた。今回はそれをテーマに進めたい。

このブログのヘビーユーザーの方ならよく分かると思うのだが、どんなスポーツでも競技者としてストイックに競技を続けていくと金銭面の悩みがどうしても出てきてしまう。そんなスポーツの世界の悩みでも一番金がかかるのが「車輪もの」(自転車や自動車などでスピードを競う競技を表す筆者が作った造語)であると筆者は考える。

他の競技でも金はかかるのだが車輪ものは特にかかるジャンルである。筆者のブログでも以前に『モータースポーツは「100%お金」』(スポーツの現金化・その32・2013年10月26日号)というタイトルでモータースポーツの資金繰りの厳しさを書いたのだが、特にこの世界は資金の力が他のスポーツ以上に重要になっているのであろう。

それではそのF1チームの運営資金はいくらぐらいなのだろうか?F1チームの場合大手自動車メーカー傘下のトップチームでは年間予算は400億円以上(!)どんなに小さなプライベートチームでも最低100億円は必要であると言われている(余談だがサッカーJ1でダントツトップの浦和レッズの営業収益が約70億円)。以前にも書いたかもしれないが鈴木亜久里氏がプライベートチームを持っていた頃は亜久里氏個人の力で浦和レッズ並の資金繰りをしていたということになる。

詳しくチームに必要なものを見ていくとトヨタの場合2台のマシンに650人を必要として、エンジン一基に約3000万円(!)、2008年のシューマッハの日給(月給ではない)が約328万円、サーキットの建設費が300億円、ホテル6日分で4200万円(スタッフ100人分が1GP=6日で費用なホテル代)、と書いていて真面目に働くのが何なんだと思うほど金のかかるスポーツビジネス、それがF1という世界なのである。只でさえ自動車の開発費用というのは金食い虫で、あっという間に利益が無くなる世界なのに何なのかと考えたくなるような多額の費用がコストにのし掛かるのがF1である。しかし世界中で自動車を溺愛している男達はそれだけの予算をかけても、チェッカーフラッグを振られて表彰台の頂点に立ちたい。まさに金のかかる男のロマンの世界である。

参考文献 R25 2008年4月10日号