先日スポーツ界のぶっちゃけ話シリーズで「サッカー界のぶっちゃけ話」(宝島社・2013年)を元ジェフの日本代表FWの城彰二が上梓(じょうし・本を世に出すこと)して城は本当にサッカー界のことをぶっちゃけていた。

その中で城はサッカーとお金の関係でもぶっちゃけていたのだが、Jリーガーの中では常識なようであるが、Jでのリーグ戦で累積警告での出場停止になると罰金を支払わなければならないということだと言う。それはJリーグでジェフだったら(まがりなりにも)市原の臨海競技場時代からジェフを知っている筆者(独眼鉄)でも初耳なことであった。

城が言うには(少なくとも城が現役時代は)累積警告の出場停止の罰金はJ1では10万円、J2で5万円だと言う。

ここで一つ考えてみたのだが、筆者の愛読しているサッカー漫画「GIANT KILLING」で主人公のチームのETUが、ホームの神戸戦でチームの中核を担うボランチの背番号7番の椿大介が、この試合で累積警告4枚目で次節のアウェイ山形戦が出場停止になった(19巻参照)。

このことを漫画の世界から現実に置き換えると、椿はリーグが開幕してから達海監督から抜擢されて不動のボランチに定着したが、シーズン前は完全な無名選手であった。椿は高校卒業後、1年地域リーグに在籍し1部リーグ(現実世界ならJ1)のETUに入団、実質高卒2年目である(作品の中では二十歳)。

その為、椿の年俸を現実的に考えれば普通に考えてC契約(年俸上限480万円)であろう。その椿が累積警告の出場停止だと、チームの核となって獅子奮迅の活躍をしていても480万円のままだし(作品の先は当然解らないが、シーズン終了後にA契約になって次の年から1000万円以上は貰えるだろうが)、その税金から引かれる前の480万円からリーグへ10万円の罰金はかなりきついと感じる(ただJの場合出場給で満額30万円で勝利給で50万円入る。しかしそれでも罰金10万は痛い。それに椿の場合は後に五輪代表に選出されて代表の勝利給も入るだろうが、そんな収入が入る選手は滅多にいない)。

また別の例を挙げれば(架空の話で)、あるJ1クラブでそのチームは得点力(攻撃力)はあるが失点も多く、その為その年の賞金圏内(6位以上)を逃し、強化部を始めとしたフロントはCBの補強を急務としていた。その為そのクラブは大学サッカーリーグの花形のCBの獲得に成功した。

しかしその大卒1年目のCBも基本的にC契約だから初年度の年俸は480万円。そしてシーズン開幕し、その大卒CBは即戦力を期待されて開幕と同時にレギュラーになった。しかしどのスポーツでもそうだがプロとアマはスピードが違う、パワーが違う、プレッシャーが違う。そこで大卒CBとマッチアップした敵の裏を取るタイプのFWのプロのスピードにそのCBはついていけず、反射的に相手のユニフォームを引っ張った。決定機のファールで大卒CBは一発退場。チームは10人の数的不利になった。この時もその大卒CBは数的不利ともう1つ「罰金10万円」という代償が(税金が引かれる前の)480万円から支払わなければならない。

今日はGIANT KILLINGの話を例に挙げたが、なんとなくグラゼニの凡田みたいなブログになった(苦笑)。しかし初めて知ったことだが、今回Jリーガーはこんな代償を支払っているのを知った。