サッカーメディアや一般のニュースにも報道があるように、浦和レッズが鳥栖戦で人種差別のような横断幕やゲーフラを掲げたことによりJ1第4節の浦和vs清水戦が無観客試合になったことがJリーグから処分を受けた。

今回のことを受けて筆者(独眼鉄)は一言で言って残念と言うしかない。筆者は浦和の人間でも鳥栖でも清水でもないが、それでも悲しいと言うしかない(独眼鉄はジェフサポーターだがジェフとしてもこのことは他人事ではない)。

Jリーグというプロスポーツというのはお客様にチケットを買って試合を楽しんでもらう「興行」なのであって、その興行にお客様が来られないのはスポーツに関わる全ての人間にとって損失なのである。今回問題となった横断幕は(韓国人の多く在籍している)鳥栖の選手・監督に対して「JAPANESE ONLY」と言って、外国人排斥の差別の内容を言ったことである。韓国や他のアジア諸国のバッシングについての問題については今までのブログでも多少は言及してきたし、また「スポーツの現金化」のブログが一段落着いた頃に別のタイトルでアジア諸国のことについては発言したいが、ある程度時間が経ったとはいえ(韓国人にとっては外国の)日本で震災のリスクを背負ってまでJリーグでプレーしている彼らに、こういう発言をするのは正直悲しいことである。

以前読んだ元日本代表の三浦知良氏のエッセイ集「おはぎ」(2005年・講談社)で同氏が日本代表がW杯ドイツ大会アジア地区最終予選の日本vs北朝鮮戦で第三国の無観客試合になったことについて「サポーターが審判を待ちぶせしているとかについてFIFAが敏感になって無観客試合になってしまったのは残念だ。試合で内容がつまらないとか応援しているチームがふがいないとかで、お金を払って見に来ている観客がブーイングするのはいいと思う。ただ勘違いしちゃいけない。一歩スタジアムを出たらおしまい。もちろんスタジアムに物を投げ込んだり、ピッチになだれ込んだりする暴力行為は許されない」と同氏は自身のエッセイの中で要約するとこう言っている。

今アジア情勢が緊迫していて2年前のロンドン五輪でサッカーの試合で勝った韓国人選手が政治的メッセージを掲げ、両国に不必要な緊張を与えたのは記憶に新しい(こういうことをすると本当に損をするのは日本で働く韓国人なのであるのだが)。

話しを戻すが浦和vs清水戦でとばっちりを受けたのは関東在住の清水サポーターである。関東在住の地方チームのサポーターは地元のスタジアムに行ける頻度が少ないから、自分のチーム(この場合は清水)が関東に来る少ないチャンスをむざむざ逃すのは気の毒としか言えない。今回の件での損害額の試算は1億円とも言われている。浦和レッズの営業収益が70億円と言うから、かなり厳しい損失と言える。

今回浦和について色々書いたが、自分が応援しているジェフだって全く他人事ではない。開幕戦の負けた栃木戦では一部のジェフサポーターが選手のバスを取り囲んだり、第2節のホームの岡山戦では勝ったものの決勝点を決めた柏からレンタル移籍した選手に柏を揶揄するタオルマフラーを渡し、クラブが柏に謝罪してその選手にも迷惑をかけ、そのマフラーを渡したサポーターはしばらく出入り禁止の処分になったという。

ジェフの件では不幸中の幸いで無観客試合にまではならなかったが、浦和の件を見て他人事ではないことは肝に命じておかないといけないと感じた。