唐突だが(ソチ五輪で金メダルを取った話題をおいといて)スポーツのコミッション(統轄委員会)のことを言うが、基本的に何のスポーツでもプロスポーツのコミッションと言うのは1ヵ国1コミッションが一番良いのである。

以前筆者(独眼鉄)がこのブログで東南アジアのサッカー界が稼げるという話をしたが(元日本代表がタイのクラブに移籍したらしいが)、当然のことながら問題もないことはない。

サッカーマガジン2013年11月12日号のインタビューで、元日本代表で五輪にも出場経験のある酒井友之氏(現浦和の普及コーチ)がJリーグでプレーした後インドネシアリーグでプレーの場を求めたのだが、インドネシアの経験を酒井氏曰く、給与の未払いしチームも成熟していないこと去ることながら「(インドネシアは)リーグが2つに分裂している」ことも東南アジアのサッカーをお薦め出来ない理由に挙げていた(インドネシアは国土が東西の幅がアメリカと同じぐらい長くて広いという地理的環境も団体分裂に繋がったのもあるが)。

コミッションの団体分裂によってその国のスポーツが弱体化しやすい環境を生むのは他にもある。フィリピンのボクシング界も国家の省庁から派遣されたコミッションであるGABに対して、利害関係で対立するプロモーターが設立したPBFという団体があり同国のボクシング界の妨げの要因の一つになっている(PBFが悪いと言うのではなくフィリピンボクシング界全体の問題)。

コミッションの乱立によるその国の競技の弱体化の問題は何も海の向こうだけの話ではない。日本のスポーツ界の問題でもある。バスケットである。バスケットの門外漢である筆者(独眼鉄)が言うのも気が引けるがバスケットもトップアマから派生したNBLと独立系プロリーグのbjリーグの2つに別れている。今後少子化で競技者人口が益々減る中での団体分裂というのは、国内のバスケットが弱くなり(事実バスケットの日本代表の話題はメディアを介して一般市民にはほとんど伝わって来ない)、競技者予備軍の身長が高くて身体能力のある子供がバスケットを避けてサッカーのCBやGKを目指すようになり、団体分裂のワリを食うのは本来一番の主役の競技者になってしまうのである。バスケットだけの話ではないのだが本来一番重要な存在である競技者が、その競技のお偉いさんの都合に左右されることで良いことは無いのである。少なくとも日本のバスケットもリーグの発展的統合を願うばかりである。