このブログを以前から読んでくれていた読者ならわかると思うが、筆者(独眼鉄)は若い頃はボクシング教原理主義者であったが最近のボクシング界にワクワク感のある試合がなく、結果のみが問われるプロの世界でその結果がどうでもいい試合ばかりで今年(2014年)はまだボクシングを見に行ってない。

あまりこのブログで愚痴めいたことは言いたくないし(読んでくれる読者にも申し訳ないし)、その手のことはなるべく避けるつもりだが今回はボクシングの世界戦の興行について書く。

会場名は伏せるが数年前の冬にある都内某所で世界戦を見に行った。その会場は平べったい会場でスポーツの試合というのは、すり鉢状に席ができていて観客がその競技を上から見下ろすように見るのが理想であって、そういう意味でその会場はスポーツを見る会場としては不適格な会場であった。

そういう平べったい会場を使うこと自体も問題であったが、筆者がその会場に入った時(おそらく一見さんであろう)お客さんが「10000円払ってパイプ椅子かよ!」と怒りを露(あらわ)にしていた。

この出来事は結構前のことでそれほど最近のことではないのだが、プロスポーツビジネスとして考えさせられることがあった。

東京という街は1000万人の人口があり、この街で生活するだけで大体のことはこと足りる。しかしこの東京という街には意外とプロ格闘技のビッグイベントをやるのに適切な会場がない。

以前東京ドーム内に新たな格闘技の会場ができて(後楽園ホールではない)、関係者が「この会場をボクシング世界戦のメッカにしたい」と鼻息荒く言っていたが、こけら落としに注目された東洋タイトルをやってボクシング専門誌やネット上で総スカンを食って6年近く経っても未だに世界戦の経験はない。

個人的に関東エリアで一番ボクシングを見るのに適切な会場は両国国技館であろう。あそこは(個人的に近いことあるが)どんな安い(普通の人の感覚なら安くないが)席でも上から見下ろすことができるので、チケット代相応の満足感がある。しかし当たり前だが相撲のための会場なので1月・5月・9月は使えないことを考慮しなければならない。あと会場使用料と費用対効果が高い(要は手頃なチケット代でそれなりの見やすさがある)会場はパシフィコ横浜であろう。もとはクラシック音楽のための会場(だったと思う)であるが一番安い席でも真上から見下ろすようにできているので、平べったい会場よりはパシフィコの方がよっぽど納得できる。会場使用料も安いのか(会場運営サイドとしても利用率を上げるためか)チケット代が3000円だったり、リングサイドが5000円の時もあった。しかし錦糸町から横浜までの交通費で安く浮いた差額が±0になるのが珠に瑕(たまにきず)。

こうやってボクシング世界戦の会場について今回書いたが、人間の性格や人格に完璧を求められないのと同じでボクシングの会場にも完璧な会場はないのかもしれない。