今年もまだ1月が終わったばかりでまだ2014年という年をしっかりちゃんと生きないといけないのだが、来年(2015年)は東アジアにとって色々な意味でエポック的な年である。今年の年の瀬にこのブログが無事続けていられたら、またその時色々書き連ねるだろうが当然今は書かない。しかし今の東アジア情勢を考えて前々から思っていたことを今回は書きたい。

今日本のメディアやインターネットを見ていて韓流スターやK-POPの情報が流れない日は無い。東京ドームで韓流スターのコンサートで日本人女性が満杯になることなど12~13年前には(昔から韓国語を勉強している自分でさえ)想像出来なかった。それだけではなく日本が世界に誇れるものづくりの世界でも韓国企業のサムスンやLGに後塵を拝すことなど、これもまた想像出来なかったことだ。

今韓国社会が日本だけでなく欧米でも着々と強い発言権を持つようになり、コリアンパワーが次第に強まっているようになる。

しかし筆者(独眼鉄)は韓国社会を独学で20年近く勉強していて思うのだが、韓国社会は強烈な矛盾が内包する世界のように感じる。前述の通り今の日本は昔とは比べ物にならない位韓国の情報が氾濫している。特にこの季節だと日本もそうだが(はっきりいつかは知らないが)韓国だと受験シーズンである。以前日本で受験生が電車を乗り間違えて新幹線をストップさせたことが物議を醸したことがあったが、韓国では受験会場に遅れそうな受験生に警察の白バイが受験生にヘルメットを被せて受験会場に連れて行く国である。それだけ韓国は教育熱心で自分の子供の立身出世を望む民族である。

しかしその立身出世の頂点である韓国の大統領で幸せになった人は少ない。初代大統領の李承晩はクーデターと大規模デモで失脚し異国の米国に亡命し死を迎えた。朴正煕(今の朴槿恵大統領の父)は独裁で恐怖政治で長期政権を維持した時期もあったが、最終的に彼もまたクーデターで出身の軍部の部下に銃殺された。全斗煥・盧泰愚も死刑判決が下された(後に恩赦)。金泳三・金大中も収賄問題があった(金大中はノーベル平和賞を受賞して病院で死んだのでまだ幸せな方だが)。盧武鉉はネチズン(韓国のネット市民)の支持を受けて当選するも、その後急激に支持率は下落し結局退任後に自殺。李明博も親族の不正経理の問題も耳にした。

ざっとこれだけ書き連ねても韓国の大統領は圧倒的に非業の死が多いのだが、韓国の歴史をかじった日本人からすると正直自分が韓国人家庭の人間なら逆に大統領の地位が怖くなる気がする(自分に韓国人の親族はいないが)。

では今自分の周りに一般の韓国人はいないが彼らに「じゃあ(日本人の)独眼鉄さん。韓国は日本の政治システムを真似ればいいんですか?」と訊かれたら筆者自身言葉に窮する。日本の政治もようやく昨年(2013年)毎年総理大臣が変わるのを阻止したが日本の政治が混乱し迷走を続けているには変わらないことは日本人なら誰しも感じることである。

筆者のブログ(2013年6月26日)の「名監督が語ったメッセージ」でサッカーの岡田監督が民主政治の限界と臨界点を語ったが、今東アジアが過去の歴史に例が無いくらい政治的にも経済的にも力をつけてきている時代に突入しつつある。そういう時代に韓国がどうの日本の政治が駄目というのではなく、各々が自分の祖国の在り方を考える時期にきている気がする。

参考文献 韓国大統領列伝 池東旭著 中公新書 2002年