このタイトルは以前サカマガが週刊時代にあったコラムの中から引っ張ってきた物である。日付を書かなかったのは筆者(独眼鉄)のしくじりである。すいません。

話を本題に入ろう。今年はワールドカップイヤーだが以前サカマガで世代別の代表のチーム編成で古株のサッカー記者が言っていたことであるが、世代別のサッカーの代表というのはいつの時代でもその世代の中心となる選手が出てくるものである。ある時期は読売時代のヴェルディの下部組織の選手が大量に入ってきたり、またある時期には(全く同じチームではないが)静岡県選抜のチームが世代別の代表に大量に入ることもある。どちらの場合もそのグループにいる選手達は大なり小なり互いのことを理解しているので、その集団がグループとして固まり易い。そしてそのグループにはそのグループ内で既にリーダー格になっている選手がいて、例えは悪いがそういう選手は「ボス猿」のようにそのチーム内に君臨しているのである。そしてそのグループ以外から集められた選手はそのグループに入り込もうと努力する。

しかしサッカーという競技は集団競技の球技でありながらその集団のなかに取り入ろうとされない選手もいる。一般の社会で言えば「一匹狼」と言う存在である。

サッカーの世界は(プロ野球の球団内でもそうだが)チームの中に派閥ができるのが一番良くないのである。こういう一匹狼のような存在がボス猿のグループと別のグループを作ると勝てる試合も勝てなくなるのである。しかしではそういう選手が必要ないのかといったらそうではない。ボス猿のグループのボスと一匹狼の間に仲介する選手が出てきて、その一匹狼をボス猿のグループに取り込められたらそういうチームはチーム全体が飛躍する可能性もある。元々ボス猿のグループというのは昔からの馴染みの「譜代」も後から入った「外様」もボス猿の前に良くも悪くも従順なところがある。しかしチームを良くするために一匹狼だった選手がボス猿に苦言も言えるし、またそういうことを言える選手が出てくることで(ボス猿がボスであることは変わらないが)周囲の選手の意識が変わってチームが活性化するのである。

このコラムでも93年のU-17世界選手権では財前宣之を中心とした読売の勢力に松田直樹や中田英寿といった規格外の個性が加わりメキシコオリンピック以来の世界大会ベスト8に進んだり、99年のワールドユースでは小野伸二、高原直泰といった静岡勢に稲本潤一、本山雅志、小笠原満男が入ってFIFA主催の世界大会で初の決勝進出を果たしたという。

組織の力で勝つにはリーダーシップが取れるキャプテンは必須である。しかしそこに規格外の選手がスパイスされると組織は劇的に変化すると筆者(独眼鉄)は考える。