最近ボクシングを見ていて気になったが今のボクシングのチケットが高いが、その割には会場が半分ぐらいしか埋まっていないのである。

筆者(不器用貧乏)がボクサーを志した90年代後半や、ボクサーを諦めて見る側に回った2000年代はチケットは安い席が3000円スタートだったのが、今は(大手ジム以外は)安くて4000円で世界戦でもない試合でも5000円スタートも目立っている。

2011年の大震災以降、よっぽどメジャーなイベントは別にして何の催し物でもチケットが捌け(さばけ)なくなっているが、あまり愚痴みたいなことは言いたくないが、今のプロ格闘技の構造上に何か問題があるように思える。

ここ数年のボクシングの問題から、①震災やボクシング界のスキャンダル等いろんな問題からボクシングファンが会場に行かなくなる→②チケットが捌けなくなる(売れない)→③興行主サイドからすれば客単価(チケット代)を高くする→④今まで行っていたファンも会場から足が遠ざかる→⑤益々チケットが捌けなくなる、という悪循環で今はボクシング界のスタグフレーション(不況下のインフレ)になっている。

先日、ボクシング界の世界戦のビジネスモデル(ユベロスモデル)の分岐点の話をしたが、ボクシング界の問題は後楽園ホールの地場の興行にも問題があって、プロ格闘技全体に問題があるように思えてならない。

以前亀田興毅vs内藤大助戦の時、大手の新聞の記事で早稲田大学のスポーツ科学部のゼミ生がボクシングのチケットの入手経路を見た所、大半は選手の身内だったという。興行が細分化されすぎて一般の人(一見さん)が入りづらい仕組みになっているとあった。

ボクシングという狭い世界のマニアックな格闘技のみならず、今の時代メジャー・マイナー問わず全てのスポーツでスポーツの興行の仕組みが問われている気がする。