先日Numberのボクシング特集で90年代の日本ボクシング界のカリスマ、辰吉丈一郎が世界戦3連敗のあとタイのシリモンコンに勝った記事を見た。この記事を見て気になった事があった。

その記事で世界戦3連敗とあったが並の選手なら世界戦のチャンスは1回あればいいほうで、(今もそうだが)東洋敵無しの選手が挑戦者のお声がかからず、調整試合をするボクサーは枚挙にいとまない。世界戦で3回以上もチャンスがあるのは辰吉とウィラポンに四度挑戦し(2敗2分)の西岡利晃(五度目で成功)ぐらいなものである。前にも言ったことだが世界戦はビッグビジネスで一試合するのに大金や一筋縄ではいかない人間の思惑が錯綜する世界である。ボクシング界には「世界戦と海外の試合は普通のノンタイトルの10試合分の重みがある。」と言われている。世界戦という舞台は色々な意味で想像を絶する世界である。

サッカーでも同様である。2008年のナビスコカップでそれまで小規模な地方クラブの大分トリニータを優勝させたシャムスカ監督も翌年のリーグ戦で14連敗という普通のプロサッカー監督が経験できない連敗をして解任されたのは記憶に新しい。
普通の監督なら5連敗ぐらいで解任であるが、シャムスカもまたそれまでの実績からフロントが解任出来なかったのである。
サッカーの世界も選手も指導者もフロントも想像を絶するプレッシャーと戦っている世界である。

サッカーにしても格闘技にしても、一般社会では考えられないぐらい凄まじいプレッシャーの中で皆戦っているのである。