昨日バレーボールの漫画を読んでいて「バレーボールで1人のヒーローは絶対に存在しない」とあったが今の集団競技全体で絶対的な選手というチームは淘汰されつつある気がする。サッカーの世界でも「絶対的ストライカーと10人の小人たち」は通用しなくなってきた気がする。2011年のJ2で栃木SCも当時在籍していたリカルド・ロボも絶対的ストライカーだったが、ジェフ対栃木SCというよりジェフ対リカルド・ロボという対戦のように思えた(ロボは後にジェフに移籍したがあまり上手くいかなかった)。しかし対戦相手もプロなので当時のロボ対策のために栃木SCも統率の取れたグッドチームだったが昇格できなかった。

ここに興味深いデータがある。サッカーダイジェストの2012年1月3日号でコンサドーレ札幌の強化部長の三上大勝(みかみ・ひろかつ)氏が同誌のインタビューで「08年のJ1で年間15点以上とれるストライカーがいれば残留できると考えていたが実際にはダヴィ(現鹿島)が16点取ったが降格した。2011年の甲府もハーフナー・マイクが17点取ったが降格した。リーグトップレベルのストライカーがいても他のポジションがレベルアップしなければ(J1)残留できない。」と言っていた。

リカルド・ロボにしてもダヴィにしてもある程度絶対的ストライカーがいれば得点の計算できるが(フッキがいた頃の東京Vもそうだったが)、現在のJのピッチに適応するためには絶対的ストライカーだけでなくピッチ上の他の10人も「白雪姫」にならないとJ1のピッチから淘汰されてしまうのである。現在の集団競技は絶対的なヒーロー(たった1人の白雪姫)は必要なく、チーム全体が組織力・統率力を持って全員がスターにならないといけない。