先日、'メジャーリーグなぜ「儲かる」'(岡田功著 集英社新書 2010年)という本に野球WBCの開催時期のことが書いてあった。メジャーリーグの経営的判断で言うと野球WBCは3月開催しかないのである。秋にやればいいではないかという意見に関していえば、ワールドシリーズの存在意義を貶める(おとしめる)としてリーグも選手もアメリカのファンも興味を示さないというし(秋以降はNHLもNBAもNFLも開幕していてコンテンツの共食いになる)、夏開催も夏はメジャーリーグとしても夏休みは稼ぎ時でもあるし夏に野球WBCが開催できるなら1992年のバルセロナ五輪のNBAのスター軍団のチームの編成もとっくに可能だという。開幕を前倒しするのも無理だと言う。4月~5月の中西部は只でさえ寒いのにこれ以上前倒しできないのである。だからメジャーリーグの観点からは3月開催しかないのである。しかしそうは言うもののいつまでもメジャーリーグの論理に世界の野球ファンが追随するかは疑問である。サッカーの母国イングランドも最後にワールドカップを優勝したのは地元開催の1966年である。もし来年のブラジル大会で優勝しても48年ぶりということになる。勿論イングランドはベッカムの祖国ということもあり世界のサッカーファンはイングランドに敬意を払うが、今のサッカーの中心地はスペインでありブラジルである。相撲の祖国は日本だが相撲最強国はモンゴルである。アメリカ球界もいつまでも野球の祖国という看板に頼ることはできないだろう。2013年8月13日の筆者のブログ「決勝戦のないW杯」ではないが試行錯誤は必要である。