最近よく思うのだが、筆者(不器用貧乏)は本好きであるが本や雑誌というのは再販制度(ざっくりいえば返品できる代わりに値下げできない)で出版界の利益を守っているのだが、今の再販制度が出版社や編集部、書店、作家(漫画家)を本当に守れているのかが疑問である。例えば500円の漫画があったら1割(50円)は書店の利益、また漫画家の利益も1割(50円)であるという。だから1冊漫画を盗まれると10冊売らないと元(もと)が取れないのである。窃盗は論外で言語道断だが筆者が今言及したいのはそこではない。今の時代(いつの時代もそうだが)にちゃんとお金を払って買うのは当然だが、昔みたいに本は定価で買うしかなかった時代ではなくなりつつあり、むしろ廉価で買うことが普通になりつつある。新古書店がふえて漫画が定価の6割ぐらいで買えたり、Amazonでも中古の本や雑誌を買える時代になった(どちらも筆者はよく使う)。ただ漫画家でもノンフィクション作家でもリスペクトしている(尾田栄一郎、ツジトモ、能田達規、日本橋ヨヲコ、ハロルド作石、古谷野孝雄、綱本将也等)作家にはなるだけ新刊書店で買うようにしている。なぜなら新刊書店で買わないとその作家さんにさっきの印税が渡らないのである。その一方で筆者も新古書店を利用するので「使うな」とは言えない。ただ新刊書店が値下げできなくても新古書店が値引きできれば再販制度が形骸化しているように見える。昔、土田世紀の「編集王」で再販制度に対する議論がされていたが再販制度によって出版社や作家が守られていれば再販制度を存続してもいいが、現在はインターネットの普及や新古書店の台頭で再販制度が機能しているのか疑問である。出版関係者は再販制度のことを一考したほうがいいと思う。