最近見ていると思う所があるのだが、アメリカのビジネスマンとブラジルのサッカー監督が気質が似ているように見える。アメリカのビジネスマンにしても、ブラジルのサッカー監督にしても、雇用に対しては非常にドラスティックであって結果が残せなかったら解雇される意味では非常に似ている。例えばブラジルのサッカー監督はよく3連敗したら契約解除されるというが、仮にブラジル全国選手権3部リーグの監督を解雇されても、ブラジル全土にサッカークラブがあり、条件が合えば5部の州リーグで再契約(再チャレンジ)のチャンスはあるのである。要はドラスティックな首切りの一方で再チャレンジのチャンスも同じだけ残されているのである。そういう意味ではアメリカのビジネスマンも雇用に対しては厳しいが再チャレンジの機会も多いのは共通している。それが米大陸の世界の雇用に対する価値観のように見える。

しかし今の日本は米大陸の雇用の価値観に対して悪い所(ドラスティックな首切り)だけ真似して、良い所(多数の再チャレンジの機会)を無くしている。これでは日本人は失敗しないように消極的に生きるしかない。失敗しないように生きるしかないからどんどん息苦しくなる。そこから閉塞感や自殺がうまれるのである。日本人は海外の文化の表面的なところだけ真似て、本質的なところを見逃すことが多い。筆者のブログ2013年7月4日の「高校野球とJリーグ」でも書いたが、結果至上主義は絶対限界があることを知っておかないといけない。失敗に対して再チャレンジの機会がないことが時代の閉塞感や自殺率の高さに繋がることを理解しなければならない。