以前SMR(Sports Management Review)という雑誌の2007年vol.4で当時の日本ハムファイターズの球団オーナーの大社啓二(おおこそ・けいじ)氏が「スポーツビジネスという言葉は詭弁。ビジネスはビジネスなのです。」ということをおっしゃっていたが、当時日本ハムが北海道に本拠地を移転して日本一になったのでなおのことこの言葉が響いた。大社氏は「日本ハムという会社に入社し、安全で良質なハム作りの生産・流通も日本ハムファイターズという野球チームの球団運営も同じことだ。」と言っていた。その言葉を聞いて、自分自身スポーツビジネスのことを調べるのは相変わらずするが、そういう世界が特別だという認識は薄くなった気がする。むしろどんな仕事でも10000円の仕事には10000円の価値があるから職業に貴賤は無いと思うようになった。大社氏は「プロ野球チームは優勝チームでも4割は負ける。そういった負け試合でもリピーターになってくれるファンを開拓することが重要だ。」「長時間スタジアムにいると飲食物とトイレの需要がでる。スポーツビジネスとはその需要に応える仕事である。」(筆者のブログ2013年6月26日「スポーツの現金化」にも関連記事あり)と言っていてあまりスポーツで飯を食うのが特別な感じがしなくなってきた。スポーツビジネスも一般のビジネスもその根っこはほとんど変わらないと思うようになった。むしろ一般の仕事をしている人々やスポンサーの仕事にリスペクトがないと、スポーツビジネスはやっていけない気がした(2013年6月25日筆者のブログ「スポンサー」参照)。スポーツビジネスも一般のビジネスも境目はないのである。